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たいしょくん

退職前の準備

入社1年未満で辞めたい — 失業保険の12か月は離職日から数える

公的機関の計算例と一致することを確認済み最終更新: 本文 約3,400字

入社して1年たたずに辞めても、失業保険(基本手当)を受けられないとは限りません。受給資格の要件は、離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることで、前の勤め先の期間も、受給資格の決定を受けていなければ足せます。倒産・解雇(重責解雇を除く)や、更新を希望したのに雇止めされた場合などで、特定受給資格者・特定理由離職者に当たる人は、離職日以前1年間に6か月以上でも足ります。被保険者期間は入社日からではなく、離職日からさかのぼって1か月ずつ区切って数えるので、辞める日が1日違うだけで要件に届くかが変わることがあります。

自分の条件では、いつ・いくらになるか。 退職理由・年齢・勤続年数・月収の4つで計算します。

シミュレーターで計算する

入社1年未満でも、前の勤め先と合わせて12か月あれば受給資格の要件に届く

基本手当の受給資格は、雇用保険法13条1項が定めています。離職日以前2年間(算定対象期間)に、被保険者期間が通算して12か月以上あることです。今の勤め先だけで数えるのではなく、前の勤め先で雇用保険に入っていた期間も足せます。病気やけがなどで引き続き30日以上賃金を受けられなかった人は、その日数を加えた期間(最長4年)で数えます(同項かっこ書)。

倒産や解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)、事業主からの退職の勧奨などで離職した特定受給資格者と、更新を希望したのに契約が更新されなかった場合などの特定理由離職者は、同条2項により、離職日以前1年間に6か月以上でも足ります。どちらに当たるかは、離職票をもとにハローワークが判断します。区分の考え方は特定受給資格者の範囲にまとめています。

ただし、前の勤め先を辞めたあとにハローワークで受給資格の決定を受けていれば、基本手当を受け取ったかどうかにかかわらず、それより前の期間は数えません(同法14条2項1号、業務取扱要領50103)。

次条の規定による被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、この款の定めるところにより、支給する。

— 雇用保険法13条1項(e-Gov 法令検索 雇用保険法13条(基本手当の受給資格))

受給資格の要件は、離職日以前2年間の被保険者期間が、前の勤め先も通算して12か月以上あることです。

離職理由による受給資格の要件と、算定基礎期間1年未満の場合
項目自己都合などの一般の離職者特定受給資格者・特定理由離職者(倒産・解雇・雇止めなど)
被保険者期間の要件離職日以前2年間に通算12か月以上離職日以前1年間に通算6か月以上(2年間に12か月以上でもよい)
所定給付日数(算定基礎期間1年未満)90日90日
給付制限正当な理由のない自己都合退職は、離職日が2025年4月1日以降なら原則1か月原則なし
どちらに当たるか離職票をもとにハローワークが判断する離職票をもとにハローワークが判断する
出典: e-Gov 法令検索 雇用保険法13条(基本手当の受給資格) / e-Gov 法令検索 雇用保険法22条(所定給付日数) / e-Gov 法令検索 雇用保険法施行規則36条(特定受給資格者の範囲) / ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

12か月は入社日からではなく、離職日からさかのぼって数える

被保険者期間は暦の月で数えるのではありません。雇用保険法14条1項により、離職日からさかのぼり、被保険者でなくなった日(離職日の翌日)と、各月でその日に応当する日(応当する日が無い月はその月の末日)で1か月ずつ区切って、区切りの中に給料の支払いの基礎になった日が11日以上あれば1か月と数えます。

最後に残る入社日からの端数は、15日以上あり、その中に基礎になった日が11日以上あれば2分の1か月と数えます(同項ただし書)。有給休暇の日も基礎になった日に含まれます。月の全部を拘束する意味の月給制なら、区切りの暦の日数がそのまま基礎になった日数で、欠勤で給料を差し引かれたときは、差し引いたあとの給料に対応する日数です。日曜・休日を除いた期間に対する給料なら、その期間の日数です(業務取扱要領(適用関係)21454)。

このため、同じ入社日でも辞める日で結果が変わります。4月1日に入社した人が翌年3月31日に辞めると12か月、1日早い3月30日に辞めると11.5か月と数えます。3月31日に辞めると被保険者でなくなる日は4月1日で、区切りは各月の1日になり、入社日の4月1日で区切りがそろって端数が残りません。3月30日に辞めると被保険者でなくなる日は3月31日で、区切りは各月の31日(31日が無い月は末日)になります。4月の区切りは4月30日からなので、4月1日から29日までの29日が端数として残り、2分の1か月と数えます。

11日以上の区切りで足りないときは、給料の支払いの基礎になった時間が80時間以上の区切りも数えます(同条3項)。数え方の詳しい説明は被保険者期間の区切り方の説明にあります。この節の下の計算では、入社日と退職予定日(前の勤め先があればその期間も)から、区切りを並べて数えます。

見出し「区切りは退職日からさかのぼる」の下に、横に伸びる線がある。右端の「退職日」の縦線から左へ向かう矢印の下に、同じ幅の区切りの箱が4つすき間なく並び、下の括弧に「区切りごとに数える」とある。4つ目の箱と左端の「入社日」の縦線のあいだには、破線の短い箱がすき間なく入り、「端の期間は日数しだい」と添えてある。
被保険者期間の区切りは、入社日からではなく退職日からさかのぼって作り、境目は退職日の翌日に応当する日になる。入社日の側に残った端の期間は、日数によって半分と数えるか、数えない。

辞める日によって、失業保険の受給資格の要件に届くか

雇用保険の被保険者期間を、離職日からさかのぼり、離職日の翌日に応当する日で1か月ずつ区切って数えます(雇用保険法14条)。入力した内容はブラウザの中だけで処理しており、送信していません。

今の勤め先
前の勤め先
前の勤め先でも雇用保険に入っていた

この退職日なら被保険者期間は7か月と数え、倒産・解雇・雇止めなどの要件には届き、自己都合などの要件には届かない計算です。

自己都合などの要件(離職前2年間に12か月)
7か月 / 12か月要件に届かない計算届く最も早い退職日: 2027年3月28日
倒産・解雇・雇止めなどの要件(離職前1年間に6か月)
7か月 / 6か月要件に届く計算届く最も早い退職日: 2026年9月29日
被保険者期間の区切り
区切り数え方勤め先
2026年9月30日〜2026年10月29日1か月今の勤め先
2026年8月30日〜2026年9月29日1か月今の勤め先
2026年7月30日〜2026年8月29日1か月今の勤め先
2026年6月30日〜2026年7月29日1か月今の勤め先
2026年5月30日〜2026年6月29日1か月今の勤め先
2026年4月30日〜2026年5月29日1か月今の勤め先
2026年3月30日〜2026年4月29日1か月今の勤め先
  • 区切りごとに、給料の支払いの基礎になった日数が11日以上あるとして数えています。有給休暇の日も含みます。欠勤で給料が引かれた区切りや、日曜・休日を除いた日数に対して給料が決まる場合は、日数が少なくなります。
  • 11日以上の区切りで足りないときの80時間の数え方と、病気などで30日以上給料を受けられなかった場合の延長は、この計算に入れていません。
  • 前の勤め先の区切りのうち、算定対象期間の初日より前にかかるものは数えていません(扱いを示した資料が見つからないため、少なめに見積もっています)。
  • 倒産・解雇・雇止めなどに当たるか(特定受給資格者・特定理由離職者)と、受給資格があるかは、離職票をもとにハローワークが判断します。

このシミュレーションは公開されている制度情報にもとづく概算です。受給資格や実際の金額を決定するのはハローワークであり、個別の事情によって結果は変わります。手続きや個別の判断についてはハローワークまたは社会保険労務士にご相談ください。

前の勤め先の期間は、受給資格の決定を受けていなければ足せる

前の勤め先の被保険者期間は、その勤め先を辞めた日から同じようにさかのぼって区切ります。業務取扱要領50104は、2枚の離職票を出した人について、後の離職票の離職理由を判定したうえで、離職日以前の期間を順にさかのぼって通算するとしています。前の勤め先の離職票も、求職の申込みのときに出します。

今の勤め先の期間が15日未満のときは、2番目に新しい離職票をもとに受給資格が決定されます(業務取扱要領50104)。

受給資格の判定に使う被保険者期間とは別に、所定給付日数を決める算定基礎期間(雇用保険法22条3項)にも通算のきまりがあります。こちらは、前の勤め先を辞めてから1年以内に次の勤め先で雇用保険に入り、その間に基本手当などを受けていないことが条件で、区切り方が違います。2つの違いは通算されない期間の説明にまとめています。

要件に届かないときは、求職者支援制度と、年金・健康保険の手続きを確かめる

基本手当の受給資格の要件に届かない人は、求職者支援制度の職業訓練を原則無料(テキスト代などは自己負担)で受けられ、収入などの要件を満たせば訓練中に月10万円の職業訓練受講手当などを受けられます。対象になるかは、ハローワークが判断します。

辞めたあとの国民年金は、失業を理由にした保険料の免除の特例を申請できます。健康保険は、国民健康保険・任意継続・家族の被扶養者のいずれかを選びます(健康保険の選び方)。

週の所定労働時間が短いなどの理由で、今の勤め先で雇用保険に入っていないこともあります。加入の条件は雇用保険の加入条件で確かめられます。

試用期間中でも、辞めるときの決まりは同じで、有給休暇と任意継続には条件がある

期間の定めのない雇用は、試用期間中でも、退職を申し入れてから2週間で終了します(民法627条1項)。数え方は退職の申出の期限にまとめています。

会社が解雇する場合、労働基準法20条は、少なくとも30日前の予告か、30日分以上の平均賃金の支払いを求めています(天災事変などで事業を続けられなくなった場合や、労働者の責めに帰すべき事由による解雇を除く)。21条は試用期間中の人を20条の対象から外していますが、14日を超えて引き続き使用された人には20条が適用されます。

雇用保険では、事業主から退職するよう勧められて離職した場合も、特定受給資格者の範囲に入ります(雇用保険法施行規則36条)。当たるかは、離職票をもとにハローワークが判断します。

年次有給休暇は、雇入れから6か月継続して勤め、全労働日の8割以上出勤すると、通常の労働者なら10日付きます(労働基準法39条1項)。6か月より前に辞める場合は、会社が前倒しで付けていない限り、法律上の有給休暇はまだありません。付いている場合の使い方は退職前の有給休暇にまとめています。

退職後の健康保険の任意継続は、資格を失う日の前日まで継続して2か月以上、健康保険の被保険者だった人が選べます(健康保険法3条4項)。入社から2か月たたずに辞める場合は、入社の前も間を空けずに健康保険に入っていたかで変わるので、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に確かめてください。

第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。

— 労働基準法21条ただし書(第四号は「試の使用期間中の者」)(e-Gov 法令検索 労働基準法21条(解雇の予告が適用されない場合))

試用期間中の人も、14日を超えて使用されていれば、解雇の予告(20条)の対象になります。

令和6年3月に卒業して就職した人のうち、1年以内に辞めた人は大卒10.1%・高卒16.6%

厚生労働省の集計によると、令和6年3月に卒業して就職した人のうち、就職後1年以内に離職した人は、大学卒で10.1%、短大等卒で17.8%、高校卒で16.6%でした(令和7年6月時点)。令和4年3月卒の就職後3年以内の離職率は、大学卒33.8%、高校卒37.9%です。

雇用保険の加入届が出された人の生年月日や資格取得の理由などから、新卒で就職した人を学歴ごとに推定して数えた統計です。離職は、加入の届けを出した事業所を離れたことを数えており、辞めた理由や、その後に働いているかは問いません。

新規学卒就職者の就職後1年以内の離職率(令和6年3月卒・令和7年6月時点)

大学卒
10.1%就職後3年以内(令和4年3月卒)は33.8%
短大等卒
17.8%就職後3年以内(令和4年3月卒)は44.5%
高校卒
16.6%就職後3年以内(令和4年3月卒)は37.9%

出典: 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」(令和7年10月24日)と別添の統計表 / 最終更新: 2026年9月29日

12か月に届くか、会社都合か、前の勤め先があるかで、先に確かめることが変わる

どの日に辞めるかは、体調や職場の状況によって決めることで、当サイトは判断しません。状況ごとに、先に確かめておくと判断しやすくなることを並べます。

次の勤め先を決めてから辞めるか、先に辞めてから探すかの違いは辞める順番の記事で比べています。心身の不調で働けないときは、受給期間の延長や傷病手当金を先に確かめてください。

入社1年未満で辞めるときに、状況ごとに先に確かめること
状況先に確かめること
今の勤め先だけでは12か月に届かない前の勤め先の期間と、受給資格の決定を受けたことがあるか。届く最も早い退職日(この記事の計算)
会社から辞めるよう言われた・契約が更新されない特定受給資格者・特定理由離職者に当たれば、離職日以前1年間に6か月でも足りる。当たるかはハローワークが離職票をもとに判断する
試用期間中に解雇を告げられた14日を超えて使用されていれば、30日前の予告か30日分以上の平均賃金(労働基準法20条・21条。天災事変などや、労働者の責めに帰すべき事由による解雇を除く)
入社2か月未満入社の前に間が空いていれば任意継続は選べないので、国民健康保険か家族の被扶養者
受給資格の要件に届かない求職者支援制度の職業訓練と給付金、国民年金の免除の特例
出典: e-Gov 法令検索 雇用保険法13条(基本手当の受給資格) / e-Gov 法令検索 雇用保険法施行規則36条(特定受給資格者の範囲) / e-Gov 法令検索 労働基準法20条(解雇の予告) / e-Gov 法令検索 労働基準法21条(解雇の予告が適用されない場合) / e-Gov 法令検索 健康保険法3条(定義) / 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」

よくある質問

入社半年で辞めたら、失業保険はもらえませんか?
もらえる場合があります。受給資格の要件は離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上で、前の勤め先の期間も、受給資格の決定を受けていなければ足せます。倒産・解雇(重責解雇を除く)や雇止めなどで、特定受給資格者・特定理由離職者に当たる人は、1年間に6か月以上でも足ります。受給資格があるかは、ハローワークが判断します。
試用期間中に辞めても、被保険者期間に数えますか?
数えます。試用期間かどうかではなく、雇用保険の被保険者だったかで決まり、被保険者だった期間は離職日からさかのぼった区切りで数えます。区切りの中に給料の支払いの基礎になった日が11日以上あれば1か月です。被保険者になったことの確認はハローワークが行い(雇用保険法9条)、入っているかは雇用保険被保険者証などで確かめられます。
被保険者期間の1か月は、どう数えますか?
離職日からさかのぼり、離職日の翌日と各月でその日に応当する日(無い月は末日)で1か月ずつ区切って、給料の支払いの基礎になった日が11日以上ある区切りを1か月と数えます(雇用保険法14条1項)。入社日からの端数は、15日以上あり、その中に基礎になった日が11日以上あれば2分の1か月です。4月1日入社なら、翌年3月31日の離職で12か月、3月30日の離職で11.5か月です。
前の会社の期間も足せますか?
足せます。前の勤め先の期間も、その勤め先を辞めた日からさかのぼって区切り、今回の離職日以前2年間(特定受給資格者・特定理由離職者は1年間)に入る分を通算します。ただし、前の勤め先を辞めたあとに受給資格の決定を受けていれば、受け取ったかどうかにかかわらず、それより前の期間は数えません(雇用保険法14条2項1号)。前の勤め先の離職票も、求職の申込みのときに出します。
12か月に届かないときに受けられる支援はありますか?
求職者支援制度があります。基本手当を受けられない人が職業訓練を原則無料(テキスト代などは自己負担)で受けられ、収入などの要件を満たせば、訓練中に月10万円の職業訓練受講手当なども受けられます。対象になるかはハローワークが判断します。国民年金は、失業を理由にした保険料の免除の特例を申請でき、承認されると納付が免除されます。
入社してすぐ辞めると、有給休暇は使えますか?
6か月より前なら、法律上の有給休暇はまだ無いことがあります。労働基準法39条1項は、雇入れから6か月継続して勤め、全労働日の8割以上出勤した人に、通常の労働者なら10日を付けると定めています。会社が入社時から前倒しで付けている場合は使えるので、就業規則で確かめてください。

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出典と更新情報

最終更新: 2026年9月29日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日

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