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雇用保険に入っているか — 週20時間の線と、2028年10月に10時間へ広がる改正

公的機関の計算例と一致することを確認済み最終更新: 2026年9月7日本文 約2,100

雇用保険の加入要件は、条文では「入る人」ではなく「適用しない人」として書かれています。雇用保険法6条1号が1週間の所定労働時間が20時間未満の人を、2号が同一の事業主に継続して31日以上雇用されることが見込まれない人を適用除外としており、この裏返しが「週20時間以上かつ31日以上の雇用見込み」という要件です。2028年10月1日からは、令和6年法律第26号によりこの20時間が10時間へ引き下げられます。

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条文は「入る人」ではなく「適用しない人」を並べている

雇用保険法6条は「次に掲げる者については、この法律は、適用しない」という形で始まり、6つの号を並べています。よく説明される「週20時間以上」「31日以上の雇用見込み」という要件は、このうち1号と2号の裏返しとして導かれるもので、条文にその言い回しがあるわけではありません。

この構造を知っておくと、例外の置かれ方が読めます。1号には括弧書きがあり、65歳以上で2つの事業所の労働時間を合算して被保険者になる申出をした人などが除かれています。20時間未満でも適用されうる経路が条文の中に用意されているということです。

3号は季節的に雇用される者のうち一定のもの、4号は学校教育法の学校の学生・生徒のうち省令で定める者を挙げています。

一週間の所定労働時間が二十時間未満である者(第三十七条の五第一項の規定による申出をして高年齢被保険者となる者及びこの法律を適用することとした場合において第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者に該当することとなる者を除く。)

雇用保険法6条1号e-Gov 法令検索 雇用保険法6条(適用除外)

括弧書きが、20時間未満でも被保険者になりうる場合を除いています。

雇用保険法6条が適用除外としている人
適用しない人
1週間の所定労働時間が20時間未満である者(括弧書きの例外あり)
同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者(同上)
季節的に雇用される者であって、38条1項各号のいずれかに該当するもの
学校教育法の学校の学生・生徒であって、省令で定める者
出典: e-Gov 法令検索 雇用保険法6条(適用除外)

2028年10月1日から週10時間以上に広がる

令和6年法律第26号(雇用保険法等の一部を改正する法律)は、被保険者の要件のうち週所定労働時間を「20時間以上」から「10時間以上」に変更すると定めています。厚生労働省の概要資料は、この部分の施行期日を2028(令和10)年10月1日としています。

同じ資料は「給付は別基準とするのではなく、現行の被保険者と同様に、基本手当、教育訓練給付、育児休業給付等を支給」としています。新しく対象になる人だけ給付の内容が薄くなるわけではありません。

現時点で雇用保険法6条1号は「二十時間未満」のままです。いまの取扱いと2028年10月以降の取扱いは分けて考える必要があります。

被保険者期間の数え方も半分になる

適用が広がるのに合わせて、受給資格を数えるときの基準も変わります。厚生労働省の資料が示す改正前後の日数と時間数を並べると、週所定20時間を基準に置いた数え方が、時間数は半分に、日数はほぼ半分に下がる形です。

被保険者期間の算定は、いまは賃金の支払の基礎となった日数が11日以上、または賃金の支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月を1か月と数えます。改正後はこれが6日以上または40時間以上になります。

受給資格そのものに効く変更です。1か月として数えられるかどうかの線が下がるので、短い時間で働く人ほど影響を受けます。いまの数え方は失業保険をもらえるかは被保険者期間で決まるにまとめてあります。

被保険者期間を1か月と数える基準(2028年10月1日の改正前後)
時期賃金支払基礎日数賃金支払基礎労働時間数
改正前(現行)11日以上80時間以上
改正後(2028年10月1日〜)6日以上40時間以上
出典: 厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要」

加入は会社の手続きで、本人が選ぶものではない

雇用保険の適用は要件を満たせば生じるもので、本人や会社が選べるものではありません。要件を満たしているのに手続きがされていない場合、加入していない期間が残ります。

過去の加入期間は被保険者期間に算入できないことがあります。雇用保険法14条2項2号は、被保険者となったことの確認があった日の2年前より前の期間を算入しないと定めています。詳しくは被保険者期間の数え方を参照してください。

加入しているかどうかは、給与明細の雇用保険料の控除、雇用保険被保険者証、またはハローワークでの確認で分かります。確認の請求はハローワークの窓口で行います。

対象にならない場合に使える制度

雇用保険を受給できない求職者に向けては、月10万円の職業訓練受講手当を受けながら無料の訓練を受ける求職者支援制度があります。要件は求職者支援制度の要件にまとめてあります。

厚生労働省の改正資料には、週10時間以上へ広げたことで被保険者・受給資格者となる人について「求職者支援制度の支援対象から除外しない」という注記が置かれています。2028年10月以降も、両方の制度が併存する形になります。

短時間でも入る場合がある

雇用保険法6条1号の括弧書きは、37条の5第1項の申出をして高年齢被保険者となる者を適用除外から外しています。65歳以上の人が2つの事業所の労働時間を合算して被保険者になる仕組みで、いずれか1つが週20時間未満でも対象になりえます。

2号の括弧書きにも例外があり、前2か月の各月において18日以上同一の事業主に雇用された者は、31日以上の見込みがなくても適用除外から外れます。

本サイトは条文が定める要件を説明しますが、個別の雇用が要件を満たすかどうかは判断しません。被保険者資格の確認はハローワークが行います。

料率と保険料は別の法律

雇用保険料の率と徴収の方法は雇用保険法ではなく、労働保険の保険料の徴収等に関する法律が定めています。率は年度ごとに改定されるため、本サイトでは扱っていません。

給与から雇用保険料が引かれていることは、被保険者であることの手がかりにはなります。ただし控除の有無だけで資格の有無が決まるわけではないので、確かめるならハローワークでの確認になります。

よくある質問

アルバイトでも雇用保険に入れますか?
雇用形態ではなく所定労働時間と雇用見込みで決まります。1週間の所定労働時間が20時間以上で、同一の事業主に継続して31日以上雇用される見込みがあれば、アルバイトでも被保険者になります(雇用保険法6条1号・2号の裏返し)。
週20時間未満だと一切入れませんか?
例外があります。雇用保険法6条1号の括弧書きは、37条の5第1項の申出をして高年齢被保険者となる者などを除いています。65歳以上で2つの事業所の労働時間を合算する仕組みが該当します。
2028年10月から何が変わりますか?
週所定労働時間の要件が20時間以上から10時間以上に下がります(令和6年法律第26号)。被保険者期間を1か月と数える基準も、賃金支払基礎日数11日以上または80時間以上から、6日以上または40時間以上に変わります。
学生は雇用保険に入れませんか?
雇用保険法6条4号が、学校教育法の学校の学生・生徒であって省令で定める者を適用除外としています。ただし号の書き方は「前三号に掲げる者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者」なので、学生であれば一律に対象外というわけではありません。
加入しているか確かめる方法はありますか?
給与明細に雇用保険料の控除があるか、雇用保険被保険者証が交付されているかが手がかりになります。確実に確かめるにはハローワークの窓口で被保険者資格の確認を請求します。

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