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傷病手当金の1日あたりの額は、支給を始める日以前の直近12か月の各月の標準報酬月額を平均した額を30で割り(10円未満四捨五入)、その3分の2にして求めます(1円未満四捨五入)。端数処理が二段階あり、順序が決まっています。支給期間は同一の傷病について、支給を始めた日から通算して1年6か月です。受給できるかどうかは医師の証明にもとづき保険者が決定するもので、本記事は金額の計算だけを扱います。
本記事で説明するのは金額の計算と支給期間の上限までです。療養のため労務に服することができない状態かどうかは医師が証明し、支給するかどうかは保険者(協会けんぽや健康保険組合)が決定します。当サイトは受給の可否を判断しません。
国民生活センターは2025年12月3日に、失業保険や給付金の申請サポートをうたう事業者について注意喚起を出しています。相談のなかには、うつ病と診断されるためのマニュアルを渡された、事業者が指定するオンラインクリニックの受診を指示されたというものが含まれます。事実と異なる内容での申請は不正受給にあたります。金額を知ることと、受給できると判断することは別のことです。詳しくは広告掲載ポリシーに、当サイトがこの分野の事業者と提携しない理由を記載しています。
健康保険法99条2項は、平均額を30で割る段階と、3分の2にする段階のそれぞれに端数処理を定めています。「五円未満の端数は切り捨て、五円以上十円未満は十円に切り上げ」、続いて「五十銭未満は切り捨て、五十銭以上一円未満は一円に切り上げ」です。
「月額 ÷ 30 × 2/3」とだけ書かれた式で計算すると、公表されている値と数円ずれます。協会けんぽが公表している計算例では、平均17万円のとき30分の1は5,670円、その3分の2は3,780円です。先に3分の2を掛けてから丸めると3,778円になり、一致しません。
標準報酬月額の平均を出す
支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12か月の各月の標準報酬月額 ÷ 12
12か月に満たない場合は下の「12か月に満たない場合」を参照してください。
30で割る(10円未満四捨五入)
平均額 ÷ 30 → 5円未満は切り捨て、5円以上は10円に切り上げ
3分の2にする(1円未満四捨五入)
前の額 × 2/3 → 50銭未満は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げ
この順序を入れ替えると公表値と一致しません。
入社してから間もない場合など、標準報酬月額が定められている月が12か月に満たないときは、健康保険法99条2項ただし書により、実績の平均と「支給を始める日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の標準報酬月額の平均額」のうち、低いほうを使います。
協会けんぽの場合、この全被保険者の平均額は支給開始日が2025年4月1日以降であれば32万円です(2025年4月1日より前に支給が始まった場合は30万円)。健康保険組合の被保険者にはこの額は当てはまらず、加入している組合が定めた額になります。
傷病手当金は、労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から支給されます(健康保険法99条1項)。失業保険(基本手当)の待期7日とは日数も根拠条文も別のものです。
任意継続被保険者は同条の対象から除かれています。退職後に任意継続へ切り替えた人が、そこから新たに傷病手当金を受けられるわけではありません。
同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病については、支給を始めた日から通算して1年6か月が上限です(健康保険法99条4項)。令和4年1月1日から「通算」になり、途中で就労して支給されない期間があれば、その期間は支給期間に算入されません。
「1年6か月」は期間であって日数ではないため、支給を始めた日によって実際の日数は変わります。上の計算では入力された開始日から数えています。
給与の一部が支払われている場合、出産手当金を受けられる場合、老齢厚生年金等を受けている場合、労災保険の給付を受けている場合には、傷病手当金が調整されたり支給されなかったりすることがあります。調整の有無と金額は個別の事情によるため、加入している保険者にご確認ください。
データ最終確認: 2026年8月19日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日