病気・けがのとき
休職中に失業保険はもらえるか — 休職と退職の違い
雇用保険法4条2項は「離職」を「事業主との雇用関係が終了すること」と定めています。休職は労働契約を維持したまま労務の提供を一時的に停止する制度で、雇用関係は終了していないため、休職中は同条3項が定める「失業」の状態にも当たらず、基本手当(失業保険)を受け取ることはできません。休職から退職に切り替えた場合は、休職していた期間が被保険者期間や算定対象期間の数え方にどう影響するかが受給資格を左右します。
自分の条件では、いつ・いくらになるか。 退職理由・年齢・勤続年数・月収の4つで計算します。
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休職と退職はどう違うか
休職とは、労働契約(雇用関係)を維持したまま、労務の提供を一時的に停止することです。病気やけがのための私傷病休職をはじめ会社によって様々な制度がありますが、「休職」という語自体は労働基準法・雇用保険法のどこにも定義されておらず、各社の就業規則にもとづく制度です。
退職は、雇用関係そのものが終了することです。雇用保険法4条2項は「離職」を「事業主との雇用関係が終了すること」と定めており、労働契約が続いている休職はこの意味での離職に当たりません。
| 項目 | 休職 | 退職 |
|---|---|---|
| 労働契約(雇用関係) | 継続する | 終了する |
| 雇用保険法上の「離職」 | 当たらない | 当たる |
| 健康保険・厚生年金の資格 | 継続する | 原則、翌日に喪失する |
休職中に失業保険(基本手当)をもらえない理由
基本手当は雇用保険法15条により、受給資格者が「失業している日」について支給されます。同法4条3項は「失業」を、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことができない状態と定めています。「失業」は「離職」を前提にする語です。
この法律において「離職」とは、被保険者について、事業主との雇用関係が終了することをいう。
休職から退職に切り替えたとき、休職期間は受給資格にどう影響するか
休職から退職に切り替えた場合、休職していた期間そのものが受給資格を失わせるわけではありません。ただし無給の休職が続いた月は、被保険者期間の数え方に影響します。1か月として数えられるのは賃金の支払の基礎となった日数が11日以上ある区間だけなので(雇用保険法14条1項)、無給の休職が続いた月はこの基準を満たさず、被保険者期間に算入されないことがあります。数え方の詳細は失業保険をもらえるかは、退職理由より先に被保険者期間で決まるにまとめています。
一方、病気やけがなどで引き続き30日以上賃金の支払を受けられなかった期間があるときは、その日数を算定対象期間の2年に加算できます(上限4年、雇用保険法13条1項の括弧書き)。私傷病による休職はこの加算の対象になりうる代表的な例です。
休職期間が満了して復職できず退職に至った場合、その離職理由(自己都合・会社都合等)は離職票にもとづきハローワークが判定します。区分ごとの給付制限の違いは離職理由コードの一覧にまとめています。
- 無給の休職が続いた月 — 賃金支払基礎日数11日未満なら被保険者期間に算入されない
- 病気やけがで30日以上賃金を受けられなかった期間 — 算定対象期間の2年に加算できる(上限4年)
- 離職理由の区分 — ハローワークが離職票にもとづいて判定する
休職中の生活費 — 傷病手当金と受給期間の延長
私傷病による休職で生活費に困る場合、健康保険には傷病手当金という別の制度があります。労務に服することができない状態かどうかは医師が証明し、支給するかどうかは保険者が決定するもので、受け取れるかどうかは本サイトでは判断しません。日額の計算方法と支給期間は傷病手当金はいくらかで説明しています。
休職から退職に切り替えたあと、病気などで引き続き30日以上職業に就くことができない場合は、「受給期間の延長」を申し出ることができます。働けない日数を受給期間に加算し(上限4年、雇用保険法20条1項)、働けるようになってから基本手当を受け取れるようにする手続きです。休職していた期間の基本手当が後から受け取れるわけではありません。詳しくは受給期間の延長にまとめています。
傷病手当金や失業保険の給付額を「増やせる」とうたう申請サポート事業者には注意してください。国民生活センターが2025年12月3日に注意喚起を出しています。詳しくは申請サポートの相談が5年で5倍にまとめています。
休職中も健康保険・厚生年金の資格は続く
休職は退職ではないため、健康保険・厚生年金の資格にも影響しません。資格を喪失する事由は死亡や「その事業所に使用されなくなったとき」などに限られ、休職はこれに当たりません。
そのため休職中も被保険者資格は継続します。保険料(本人負担分)をどう納めるかは会社の規定によるため、休職に入る前に勤務先の総務・人事に確認してください。個別の取扱いを当サイトで判断することはできません。
その事業所に使用されなくなったとき。
よくある質問
- 休職中に失業保険(基本手当)は受け取れますか?
- 受け取れません。雇用保険法4条2項は「離職」を事業主との雇用関係が終了することと定めており、休職は労働契約を維持したまま労務を停止する制度なので、この意味での離職に当たりません。同条3項の「失業」も離職を前提とするため、休職中は基本手当の対象になりません。
- 休職と退職はどう違いますか?
- 休職は労働契約を維持したまま労務の提供を一時的に停止する制度で、雇用関係は終了していません。退職は雇用関係そのものが終了することです。「休職」自体は法律上の定義がなく、各社の就業規則にもとづく制度である点も異なります。
- 休職期間は失業保険の受給資格にどう影響しますか?
- 無給の休職が続いた月は、賃金支払基礎日数が11日に満たなければ被保険者期間に算入されません。一方、病気やけがで引き続き30日以上賃金を受けられなかった期間があれば、算定対象期間の2年に加算できます(上限4年)。
- 休職中の生活費を支える制度はありますか?
- 病気やけがで働けない場合は、健康保険の傷病手当金という別の制度があります。受け取れるかどうかは医師の証明にもとづき保険者が判断するもので、当サイトでは判断しません。
- 休職中も健康保険や厚生年金の資格は続きますか?
- 続きます。健康保険法36条・厚生年金保険法14条が定める資格喪失の事由に休職は当たらないため、休職中も被保険者資格は継続します。保険料の取り扱いは会社の規定によるので、勤務先に確認してください。
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出典と更新情報
- e-Gov 法令検索 雇用保険法4条(定義・離職と失業)
- e-Gov 法令検索 雇用保険法15条(失業の認定)
- e-Gov 法令検索 雇用保険法14条(被保険者期間)
- e-Gov 法令検索 雇用保険法13条(基本手当の受給資格)
- e-Gov 法令検索 健康保険法36条(資格喪失の時期)
- e-Gov 法令検索 厚生年金保険法14条(資格喪失の時期)
データ最終確認: 2026年9月13日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日