間違えやすいこと
「失業保険を増やせる」申請サポート — 相談は5年で約5倍に
国民生活センターは2025年12月3日、「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポート」への注意喚起を公表しました。全国の消費生活センターに寄せられた相談は2021年度の42件から2024年度は217件へ増え、2025年度は10月31日時点で216件と前年同期の2.4倍になっています。契約当事者の平均契約購入金額は約29万円です。相談には、うつ病と診断されるためのマニュアルを渡されるなど、不正受給を促すかのような誘導も含まれます。
自分の条件では、いつ・いくらになるか。 退職理由・年齢・勤続年数・月収の4つで計算します。
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なぜこの記事を当サイトが書くのか
当サイトは失業保険の金額を計算するツールです。この分野には、計算結果を見た人を高額な有料サポートへ送る広告が多く出稿されています。当サイトはそのカテゴリと提携しない方針を取っており、その理由を利用者に説明する責任があると考えています。
掲載しないという判断の根拠は、この記事で紹介する公的なデータです。方針そのものは広告掲載ポリシーで公開しています。以下の内容はすべて国民生活センターの公表資料に基づくもので、特定の事業者を指すものではありません。
相談件数は5年で約5倍になっている
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された「失業保険の申請サポート」に関する相談件数は、次のように推移しています。2025年度は10月31日時点の集計で、前年度の同期(90件)と比べて2.4倍です。
契約当事者の属性(2024年度データ)
- 平均契約購入金額
- 約29万円
- 平均年齢
- 42.7歳
- 最も多い年代
- 50歳代63件・30.4%(n=207)
- 10万〜50万円未満の契約
- 146件n=169のうち
出典: 国民生活センター 報道発表資料(令和7年12月3日) / 最終更新: 2026年9月17日
| 年度 | 相談件数(件) |
|---|---|
| 2021年度 | 42 |
| 2022年度 | 54 |
| 2023年度 | 113 |
| 2024年度 | 217 |
| 2025年度(10月31日まで) | 216 |
公表されている3つの問題点
国民生活センターは相談事例から次の3点を問題として挙げています。いずれも同センターの公表資料の記載に基づくものです。
- 広告や勧誘に過度な期待や誤解を招く表現が用いられていることがある。相談事例には「最大200万円の失業保険が受給できる」と言われて約30万円の契約をしたが、事業者が言っていたような給付金はもらえなかったというものがある
- 契約後に解約を求めても高額な違約金を請求されたり、解約を拒否されたりすることがある。約20万円を支払った後、状況が変わり解約を申し出たところ、サポートを受ける前であってもその大部分が違約金になると言われた事例がある
- 不正受給を促すかのような申請サポートになっているケースがある。うつ病と診断されるためのマニュアルを渡された、事業者が指定するオンライン診療のメンタルクリニックで受診するよう指示された、という相談がある
無資格の事業者にできるのは助言と指導まで
国民生活センターの資料は、失業保険などの労働及び社会保険制度に関する申請書等の作成や提出を、報酬を得て代行できるのは社会保険労務士や社労士法人などに限られると説明しています(社会保険労務士法27条)。資格のない事業者が行えるのは、あくまで助言および指導に限られます。
同資料は続けて、ハローワークでは申請手続について無料で相談や案内を受けることができるため、通常はこうしたサポートをうたう事業者を利用しなくとも自分自身で手続を行うことが可能である、としています。

虚偽の申請の責任は申請者本人が負う
事実と異なる内容で申請して失業保険を不正に受給した場合、受給した金額の最大3倍にあたる金額の返還・納付を命じられ(雇用保険法10条の4第1項)、詐欺罪等として刑事罰の対象になることがあります。責任を問われるのは申請者本人です。
国民生活センターは消費者へのアドバイスとして「事実ではない内容での申請を勧められても、絶対に応じないようにしましょう」と述べ、「知らなかった」「事業者に言われたとおりにした」では済まされないとしています。
自分でできることを先に確認する
失業保険の給付額や給付日数は、離職理由・年齢・被保険者期間・賃金という決まった要素から計算されます。事業者に依頼したから増えるという性質のものではありません。まず自分の条件でいくらになるのかを確認し、そのうえで必要な手続きを把握するのが確実です。
金額はトップページのシミュレーターで計算できます。手続きの流れと期限は受給手続きの流れに、給付制限を短くできる条件は2025年4月の改正にまとめています。手続きの相談は住所地のハローワークで無料で受けられます。
不安に思った場合やトラブルが生じた場合は、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると最寄りの消費生活センター等を案内してもらえます。
よくある質問
- 申請サポートを使うと失業保険は増えますか?
- 増えるとは限りません。失業保険の給付は行政機関による審査を経て個別の条件に応じて決定されるもので、国民生活センターは「サポートを受ければ誰でも一律にもらえるというものではありません」としています。実際に、事業者が言っていたような給付金はもらえなかったという相談が寄せられています。
- 資格のない事業者はどこまでできますか?
- 助言および指導までです。報酬を得て申請書等の作成や提出を代行できるのは社会保険労務士や社労士法人などに限られます(社会保険労務士法27条)。ハローワークでは申請手続について無料で相談や案内を受けられます。
- 事業者に言われたとおりに申請して不正受給になったらどうなりますか?
- 申請者本人が責任を問われます。受給した金額の最大3倍にあたる金額の返還・納付を命じられ(雇用保険法10条の4第1項)、詐欺罪等として刑事罰の対象になることがあります。国民生活センターは「知らなかった」「事業者に言われたとおりにした」では済まされないとしています。
- トラブルになったらどこに相談すればよいですか?
- 消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると、最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センター等を案内してもらえます。失業保険の手続そのものについて不明な点があれば、住所地を管轄するハローワークで無料で相談できます。
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出典と更新情報
最終更新: 2026年9月17日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日