退職後の手続き
失業保険の求職活動実績 — なるもの・ならないもの・必要な回数
失業保険(基本手当)の失業の認定は4週間に1回、直前の28日の各日についてまとめて行われます(雇用保険法15条3項)。厚生労働省の業務取扱要領は、その期間に求職活動実績が原則2回以上あることを確認して認定するとしています。求人に応募した期間や、給付制限のない人の最初の支給の認定日の期間は1回で足ります。自己都合退職などの給付制限が明けた最初の認定日は、制限の期間とあわせて数え、1か月の制限なら原則1回以上です。求人情報を見ただけ・知人に紹介を頼んだだけ・登録しただけは実績になりません。
自分の条件では、いつ・いくらになるか。 退職理由・年齢・勤続年数・月収の4つで計算します。
シミュレーターで計算する
この記事の読了目安 約8分
本文 約4,000字・全8節(1分500字として)
認定は4週間に1回、直前の28日をまとめて見る
基本手当が支給されるのは「失業している日」ですが、雇用保険法15条1項はそれを失業の認定を受けた日に限ると定めています。認定を受けていない日は、実際に働いていなくても支給の対象になりません。
同条3項は、認定を「受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して四週間に一回ずつ直前の二十八日の各日について行う」と定めています。認定日ごとに見られるのは、その前の28日間(認定対象期間)です。
ここで求職活動が問われる理由は、失業の定義そのものにあります。雇用保険法4条3項は「失業」を、被保険者が離職し「労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態」と定めています。給付の対象は離職したことではなく、働く意思と能力があって職に就けていない状態です。
確認の手続は雇用保険法施行規則28条の2に置かれています。管轄公共職業安定所の長は、失業認定申告書に記載された求職活動の内容を確認するものとされ、その確認の際に受給資格者へ職業紹介または職業指導を行うものとされています。
- 支給されるのは失業の認定を受けた日だけ(雇用保険法15条1項)
- 認定は4週間に1回、直前の28日の各日について行う(同条3項)
- 認定は「求人者に面接したこと」「職業を紹介され、又は職業指導を受けたこと」「その他求職活動を行つたこと」を確認して行う(同条5項)
- 確認は失業認定申告書に記載された求職活動の内容に対して行う(雇用保険法施行規則28条の2第1項)
実績になる活動は5つの区分に分かれる
雇用保険法15条5項が名指ししているのは「求人者に面接したこと」「職業を紹介され、又は職業指導を受けたこと」の2つで、残りは「その他求職活動を行つたこと」が受けています。条文はここまでで、どの行為が該当するかは行政の運用が示しています。
東京労働局が公開している資料は、実績となるものを次の5区分に整理しています。ハローワークが行うものだけでなく、許可・届出のある民間の職業紹介事業者や労働者派遣事業者が行う職業相談・職業紹介も含まれます。
求職活動を失業認定申告書の欄にどう書くかは、失業認定申告書の書き方にまとめています。
| 区分 | 具体例 |
|---|---|
| 求人への応募 | 応募書類の送付、面接、オンライン自主応募 |
| ハローワークが実施するもの | 求職申込み、職業相談、職業紹介、職業講習会、求職活動支援セミナー、グループワーク、求人説明会、職場見学会 |
| 許可・届出のある民間事業者等が実施するもの | 民間職業紹介事業者・労働者派遣事業者・地方公共団体による求職申込み、職業相談、職業紹介、求職活動方法等を指導するセミナー |
| 公的機関等が実施するもの | 高齢・障害・求職者雇用支援機構のキャリア・コンサルティング、職業相談、個別相談ができる企業説明会、離職前の事業主が再就職援助として行う職業相談・職業紹介 |
| 資格試験の受験 | 再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験を受験 |
見ただけ・頼んだだけ・登録しただけは実績にならない
同じ資料は、実績にならないものを3つ挙げています。共通しているのは、相手との具体的なやり取りが発生していないことです。
3つめには但し書きが付いています。登録に際して希望条件について話し合う場合や、具体的な派遣先・求人の提示があってそれに答える場合など、事業者との間でやり取りがあれば実績になるとされています。登録という行為そのものではなく、そこで職業相談にあたるやり取りがあったかどうかで分かれます。
厚生労働省の業務取扱要領も、単なる職業紹介機関への登録、知人への紹介依頼、安定所・新聞・インターネット等での求人情報の閲覧等だけでは求職活動実績に該当しないとしており、労働局の資料と同じ線を引いています。
実績の確認は、失業認定申告書に書いた本人の申告にもとづいて行うのが原則です。同じ要領は、利用した機関や応募先の証明(確認印等)は求めないとしています。そのうえで、利用した機関や応募先の事業所への問い合わせ等により事実確認を行うことがあり、事実と相違する場合は不正受給として取り扱う旨を受給資格者に周知するとしています。申告書は事実のとおりに書いてください。不正受給とされた場合に何が起きるかは不正受給の返還命令と納付命令を参照してください。

- 単なるハローワーク、新聞、インターネット等での求人情報閲覧
- 単なる知人への紹介依頼
- 職業紹介事業者・労働者派遣事業者・地方公共団体の無料職業紹介事業への単なる登録(やり取りがあれば実績になる)
回数は原則2回、給付制限が明けた最初の認定日は制限の長さで変わる
条文に回数の定めはありません。回数は行政の運用で決まっており、厚生労働省の雇用保険に関する業務取扱要領(令和8年8月版)は、認定対象期間に求職活動実績が原則2回以上あることを確認できた場合に失業の認定を行うとしています。
同じ要領は、実績が1回以上あれば足りる場合として、雇用保険法22条2項の就職困難者である場合、初回支給認定日(基本手当の支給に係る最初の失業の認定日)の認定対象期間(待期期間を除く)である場合、認定対象期間の日数が14日未満となる場合、求人への応募を行った場合などを挙げています。応募を1件済ませていれば、通常の認定対象期間はそれで足りることになります。給付制限が明けた最初の認定日の数え方は、次の段落のとおりです。
自己都合退職などで給付制限がある場合は、制限が明けた最初の認定日に限って数え方が変わります。給付制限の期間と、制限が明けたあとの最初の認定対象期間をあわせて数え、必要な回数は給付制限が1か月なら原則1回以上、2か月なら原則2回以上、3か月なら原則3回以上です。この数え方をするのは制限が明けた最初の認定日だけで、それ以外の認定日は通常の基準(原則2回以上と、前の段落の例外)に戻ります。自分の給付制限の長さは給付制限の1か月への短縮で確かめてください。労働局やハローワークの案内ページには、改正前の月数や回数が残っていることがあります。
回数と例外の運用は管轄の公共職業安定所によって案内が違いうるので、受給資格者のしおりと認定日に渡される案内で必ず確認してください。
1回の認定対象期間に必要な求職活動実績の回数
- 原則
- 2回以上
- 求人へ応募した期間
- 1回以上
- 給付制限がない場合の初回支給認定日の認定対象期間(待期期間を除く)
- 1回以上
- 認定対象期間が14日未満
- 1回以上
出典: 厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領(一般被保険者に対する求職者給付・第9〜第12)」(令和8年8月版) / 最終更新: 2026年10月4日
| 給付制限の長さ | 必要な求職活動実績(回) |
|---|---|
| 1か月 | 原則1回以上 |
| 2か月 | 原則2回以上 |
| 3か月 | 原則3回以上 |
1回に数える場合と、2回に数える場合がある
数え方には、まとめて1回になるものと、続けて行うと2回以上になるものの両方があります。ここを取り違えると、活動したつもりで回数が足りないことが起こります。
1つの求人について書類選考・筆記試験・採用面接と進んだ場合は、どこまで受けたかにかかわらず1回の応募として扱われます。一連の選考過程は、応募1件ぶんです。
一方で、ハローワークで職業相談を受けたあとに続けて職業紹介を受けた場合や、求職申込みに続けて職業相談を受けた場合は、2回以上の実績とみなされるとされています。企業説明会で複数の事業所と個別に面談した場合も同様です。
| 場合 | 数え方 |
|---|---|
| 1つの求人で書類選考・筆記試験・採用面接と進んだ | まとめて1回の応募 |
| 職業相談に引き続き職業紹介を受けた | 2回以上とみなす |
| 職業相談に引き続き求職活動支援セミナーを受けた | 2回以上とみなす |
| 求職申込みに引き続き職業相談を受けた | 2回以上とみなす |
| 企業説明会で複数の事業所と個別に面談した | 2回以上とみなす |
訓練中・採否待ち・就職で認定日を変えた期間は、回数の基準がかからない
業務取扱要領は、回数の基準を適用しない場合も定めています。これに当たる認定対象期間は、他に不認定となる事由がなければ、労働の意思及び能力があるものとして扱われます。
1つは訓練です。安定所長の指示・推薦により公共職業訓練等を受講する場合などで、労働の意思及び能力があると認められる場合が挙げられています。受講していれば自動的に外れるわけではありません。また、訓練を受け終わる日(中途で取りやめる日を含む)が含まれる認定対象期間は除かれ、訓練を受け終わったことが1回の実績として数えられます。訓練の仕組みはハローワークの職業訓練と失業保険にまとめてあります。
もう1つは採否待ちです。求人への応募の採否結果を得るまでに、1つの認定対象期間の全期間を超えて時間がかかる場合は、その認定対象期間に基準がかかりません。採否結果の通知を受けたことは1回の実績として数えられます。
就職するために認定日を変更した場合の、直前の認定日から就職日の前日までの認定対象期間も同じ扱いです。どれに当たるかは管轄の公共職業安定所が判断するので、当てはまりそうなときは認定日の前に窓口で確認してください。
| 場合 | 扱い |
|---|---|
| 安定所長の指示・推薦により公共職業訓練等を受講している(労働の意思及び能力があると認められる場合) | 基準をかけない(訓練を受け終わる日を含む期間は除く) |
| 応募の採否結果を得るまでに、1つの認定対象期間の全期間を超えて時間がかかる | その認定対象期間には基準をかけない |
| 支給終了の最終の認定対象期間で、支給対象の日数が7日未満になる | その認定対象期間には基準をかけない |
| 就職するために認定日を変更した(直前の認定日から就職日の前日まで) | その認定対象期間には基準をかけない |
最後の認定日にも実績は要る。最後だからと外れるのは支給対象7日未満のとき
所定給付日数を受け終わる最後の認定日にも、回数の基準は原則どおりかかります。業務取扱要領が最後の認定対象期間であることを理由に基準を外しているのは、支給終了(受給期間の満了を含む)の最終の認定対象期間で、支給対象となる日数が7日未満になる場合です。訓練中や採否待ちなど前の節の場合に当たれば、最後の認定日でも同じ扱いです。
支給対象の日数が7日以上残る最後の認定対象期間は、ほかの認定日と同じ基準で判断されます。認定対象期間の日数が14日未満なら1回以上、求人に応募していれば1回以上で足りるといった例外も、ほかの認定日と同じように当てはまります。
所定給付日数は基本手当が支給される日数の上限で、最後の認定対象期間に支給対象の日数がいくつ残るかは、それまでに支給を受けた日数と受給期間の満了日によって人ごとに変わります。自分の場合は認定日にハローワークで確認してください。所定給付日数そのものは失業保険の早見表で、離職理由・年齢・被保険者期間ごとに確かめられます。
実績が足りないと、その期間は支給されない
認定対象期間中に求職活動実績がない場合や回数が不足する場合は、失業の認定がされず、その期間の基本手当は支給されません。
受給の全体の流れと、認定日までに何をするかは失業保険の手続きの流れにまとめてあります。認定日に申告する内容には求職活動のほかに就労と収入も含まれるので、受給中に働いた場合は受給中のアルバイトもあわせて確認してください。
応募が実際の就職に結びついた場合は、残っている支給日数に応じて別の給付が用意されています。要件は再就職手当を参照してください。
よくある質問
- 求人サイトを見ただけでは求職活動実績になりませんか?
- なりません。東京労働局の資料は「単なるハローワーク、新聞、インターネット等で求人情報閲覧」を実績にならないものとして挙げ、厚生労働省の業務取扱要領も求人情報の閲覧等だけでは実績に該当しないとしています。同じ求人サイトでも、応募書類を送る・オンラインで自主応募するところまで進めば求人への応募として1回の実績になり、通常の認定対象期間なら応募した期間は1回以上で足ります。
- 自己都合退職などの給付制限が明けた最初の認定日までに、何回の実績が必要ですか?
- 給付制限が1か月なら原則1回以上です。業務取扱要領は、離職理由による給付制限の期間と制限が明けたあとの最初の認定対象期間をあわせて数え、原則3回以上、給付制限が2か月なら原則2回以上、1か月なら原則1回以上としています。この数え方は制限が明けた最初の認定日だけで、それ以外の認定日は通常の基準に戻ります。
- 転職エージェントとの面談は求職活動実績になりますか?
- なります。許可・届出のある民間職業紹介事業者や労働者派遣事業者が行う求職申込み・職業相談・職業紹介は実績として挙げられています。ただし単に登録しただけでは実績にならず、希望条件を話し合う、提示された求人に答えるといったやり取りが必要です。
- 1つの求人で書類選考と面接を受けたら2回になりますか?
- なりません。書類選考・筆記試験・採用面接等が1つの求人に係る一連の選考過程である場合は、どこまで受けたかにかかわらず1回の応募として取り扱われます。
- 認定日までに実績が足りないとどうなりますか?
- その認定対象期間の基本手当が支給されません。認定対象期間中に求職活動実績がない場合や回数が不足する場合は失業の認定がされないと明記されています。回数の運用は管轄のハローワークで確認してください。
- Web応募した実績は確認されますか?
- 確認されることがあります。業務取扱要領は、求職活動実績を失業認定申告書に書いた本人の申告にもとづいて判断するのを原則とし、応募先の確認印等は求めないとしています。一方で、利用した機関や応募先の事業所への問い合わせ等により事実確認を行うことがあり、事実と相違する場合は不正受給として取り扱う旨を受給資格者に周知するとしています。
このページを共有する
退職を控えている人に、期限と手続きをそのまま渡せます。
自分の場合の金額を確認する
退職理由・年齢・勤続年数・月収を入力すると、いつ・いくら受け取れるかを月ごとに計算します。
次に検討できること
- 会計・税務・経理の転職エージェントの無料面談(24〜49歳)
対象は24歳から49歳で、会計士・税理士・経理・財務などの経験がある方です。面談の内容が不十分と判断された場合は対象になりません。紹介される求人の職種・勤務地・雇用条件はサービスごとに異なるため、面談で確認してください。PR
- 求人を検索して応募する(正社員・派遣・アルバイト)正社員・契約社員・派遣・アルバイト・パート・在宅の求人をまとめて検索し、そのまま応募できる求人サイトです。担当者との面談はありません。広告主が報酬の対象としているのは、59歳以下で募集要項を満たす方の応募です。応募できるかどうかは求人ごとの募集要項で決まります。応募したことを失業の認定で申告する場合は、応募先と応募日を控えておいてください。PR
- 美容業界の求人サイトと転職サポート(20〜40代)美容師・アイリスト・ネイリストなど、美容の資格や経験を活かす求人に応募できるサービスです。対象は20歳から49歳で、美容師免許またはネイリストの技能検定などの資格が必要です。希望勤務地が一都三県・大阪府・京都府・福岡県のいずれかである必要があります。登録後に連絡が取れない場合や、退会した場合は対象になりません。PR
掲載しているサービスは広告掲載ポリシーにもとづいて選んでいます。掲載料の有無が計算結果を変えることはありません。
出典と更新情報
- e-Gov法令検索「雇用保険法」
- e-Gov法令検索「雇用保険法施行規則」
- 厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領(一般被保険者に対する求職者給付・第9〜第12)」(令和8年8月版)
- 東京労働局「失業の認定における求職活動実績となるもの」
最終更新: 2026年10月4日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日