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たいしょくん

再就職と就労

再就職手当の条件と計算方法

公的機関の計算例と一致することを確認済み最終更新: 本文 約2,800字

再就職手当は、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある状態で安定した職業に就いたときに受け取れます。支給率は支給残日数が3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%です。算定に使う基本手当日額には、基本手当そのものとは別の低い上限(59歳以下は6,745円、60〜64歳は5,454円)が設けられています。

自分の条件では、いつ・いくらになるか。 退職理由・年齢・勤続年数・月収の4つで計算します。

シミュレーターで計算する

支給額の計算

支給額は「支給残日数 × 支給率 × 基本手当日額(上限あり)」で求めます。1円未満は切り捨てです。

例えば基本手当日額4,000円、所定給付日数90日の人が給付制限期間中に就職して支給残日数が90日残っていた場合、90日は所定給付日数の3分の2以上なので支給率は70%となり、4,000円 × 90日 × 70% = 252,000円が支給されます。所定給付日数が90日になる条件の一例は自己都合・29歳以下・被保険者期間1年以上10年未満の早見表です。

60歳以後に再就職する人は、算定基礎期間などの要件を満たせば高年齢再就職給付金も対象になり、同じ就職ではどちらか一方を選びます(雇用保険法61条の2第4項)。2つの額を並べて計算するには、高年齢再就職給付金か再就職手当かの記事を使えます。

再就職手当の支給率と、算定に使う基本手当日額の上限
支給残日数の割合支給率(%)日額上限・59歳以下(円)日額上限・60〜64歳(円)
所定給付日数の3分の2以上706,7455,454
所定給付日数の3分の1以上3分の2未満606,7455,454
所定給付日数の3分の1未満支給なし——
出典: ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内」

計算方法と根拠

  1. 支給残日数を求める

    所定給付日数 − すでに基本手当を受けた日数

    待期の7日間は所定給付日数から引かれません。

  2. 支給率を判定する

    支給残日数 ÷ 所定給付日数 ≧ 2/3 → 70% / ≧ 1/3 → 60%

    割合は整数の比で判定します。端数処理の順序を変えると境界で1円ずれます。

  3. 基本手当日額に上限を適用する

    min(基本手当日額, 6,745円 / 60〜64歳は5,454円)

    基本手当そのものの上限額とは別の、より低い上限です。ここを取り違えると過大に計算されます。

  4. 支給額を求める

    支給残日数 × 支給率 × 上限適用後の基本手当日額(1円未満切り捨て)

所定給付日数ごとの、支給率が変わる残日数

支給率は支給残日数が所定給付日数の3分の1以上で60%、3分の2以上で70%になります。所定給付日数ごとに具体的な日数にすると次のとおりです。支給残日数は就職日の前日までで数えます。

所定給付日数ごとの、支給率が60%・70%になる支給残日数
所定給付日数(日)支給率60%(日以上)支給率70%(日以上)
903060
1204080
15050100
18060120
21070140
24080160
27090180
300100200
330110220
360120240
出典: ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内」

主な支給要件

次の条件をすべて満たす必要があります。

下に並べた条件の最後にあるとおり、在職中に内定を得た会社に移る場合は対象になりません。辞める前にどちらの順番で進めるかの比べ方は仕事を辞めたいけど次がないときの辞める順番にまとめています。

  • 受給手続き後、待期の7日間が満了したあとに就職または事業を開始したこと
  • 就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
  • 離職前の事業主に再び就職したものでないこと。離職前の事業主と資本・資金・人事・取引の面で密接な関わり合いがない事業主に就職したこと
  • 1年を超えて勤務することが確実であること
  • 原則として雇用保険の被保険者になっていること
  • 過去3年以内の就職について再就職手当または常用就職支度手当を受けていないこと(事業開始にかかる再就職手当を含む)
  • 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと

派遣や有期雇用でも対象になるか

支給要件のひとつが「1年を超えて勤務することが確実であること」です。雇用契約の期間が1年以下でも、更新が見込まれるのであればこの要件を満たすことがあります。判断の分かれ目は契約期間の長さそのものではなく、更新が見込まれるかどうかです。

ハローワークの案内は、この要件に該当しない例を2つ挙げています。生命保険会社の外務員や損害保険会社の代理店研修生のように、1年以下の雇用期間を定めて、契約の更新にあたって一定の目標達成が条件付けられている場合。もう1つが、派遣就業で雇用期間が定められ、雇用契約の更新が見込まれない場合です。

裏を返すと、派遣であることそのものが対象外の理由になるわけではありません。挙げられているのは「更新が見込まれない」派遣就業です。実際に要件を満たすかどうかはハローワークが個別に判断するため、契約書を持って窓口で確認してください。

給付制限がある場合の注意点

給付制限がある人は、求職の申込みをしてから待期満了後1か月の間については、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であることが必要です。自分で見つけた求人に応募して就職した場合、この期間内だと再就職手当の対象になりません。

教育訓練によって給付制限が解除された場合も、この紹介経路の要件は同じようにかかります。

逆に、給付制限が無い場合はこの要件がありません。待期の7日間が経過したあとであれば就職の経路は問われず、知人の紹介や求人広告への応募で就職した場合も対象になります。会社都合で離職した人はこちらにあたります。

上下2本の帯。上「給付制限が無い場合」は「待期」のあとすぐ「経路を問わず対象」。下「給付制限がある場合」は「待期」→「紹介による就職のみ対象」→「経路を問わず対象」。下の帯の下に「訓練で解除されても同じ」
給付制限がある場合は待期のあとにハローワーク等の紹介による就職しか対象にならない区間が挟まるが、給付制限が無い場合は待期のあとすぐ就職の経路を問われない。

申請は就職した日の翌日から1か月以内

再就職手当支給申請書は、就職した日の翌日から起算して1か月以内に、管轄のハローワークへ提出します(雇用保険法施行規則82条の5)。本人が持参するほか、代理人による提出と郵送も認められています。

就職日の前日までに失業の認定を受けておく必要もあります。支給残日数は就職日の前日までで数えるため、この認定を受けていないと残日数が確定しません。就職が決まったら、まず認定日の扱いをハローワークに確認してください。

添付する書類は同条が定めており、雇用された場合は要件を満たすことを証明できる書類、事業を開始した場合は登記事項証明書などです。受給資格者証を添えるか、受給資格通知の交付を受けている場合はマイナンバーカードを提示します。具体的な様式と進め方は、ハローワークから配られる「受給資格者のしおり」で確認してください。

再就職後の賃金が下がった場合 — 上限は20%

再就職手当を受けたうえで、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用され、その6か月間の賃金の1日分が離職前の賃金日額を下回る場合は、就業促進定着手当を受けられることがあります。額は「離職前の賃金日額 − 再就職後6か月間の賃金の1日分」に、その6か月間の賃金の支払基礎となった日数を掛けて求めます。

支給の要件、計算式、上限と申請の期限は就業促進定着手当の記事で詳しく説明しています。

上限は基本手当の支給残日数の20%です。「再就職手当が60%なら40%、70%なら30%」という説明を見かけますが、それは令和7年3月31日以前に再就職して再就職手当を受けた場合の扱いです。現在の上限は支給率にかかわらず20%で、雇用保険法56条の3第3項も「十分の二を乗じて得た数を乗じて得た額を限度として」と定めています。

申請は、再就職した日から6か月目にあたる日の翌日から起算して2か月以内です(雇用保険法施行規則83条の4)。賃金台帳や出勤簿など、6か月間の賃金額と支払基礎日数を証明できる書類を添えます。

起業によって再就職手当を受けた場合は対象になりません。離職前の賃金日額が下限額だった場合も、6か月間の賃金の1日分がそれを下回ることが起こらないため対象外です。

受け取ったあとに離職した場合

再就職手当を受けたあとに離職して失業の状態になった場合、再就職手当として支給された分を除いた残りの日数について、基本手当を受けられる可能性があります。受給期間(原則として離職日の翌日から1年)が残っていることが前提です。

ハローワークの案内は「受給できる可能性がございますので、まずはハローワークにご相談下さい」という書き方で、自動的に受けられるとは述べていません。当サイトも可否は判断できないため、離職したらまず窓口に相談してください。

よくある質問

再就職手当はいくらもらえますか?
支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら残日数の70%、3分の1以上なら60%です。これに基本手当日額を掛けた額が一時金として支給されます。ただし再就職手当の計算に使う基本手当日額には基本手当そのものとは別の上限があります。
基本手当を1日も受け取っていなくても対象になりますか?
対象になります。待期の7日間が満了していれば、その後の再就職で要件を満たせば支給されます。支給残日数が多いほど支給率が高くなるため、早く再就職するほど額は大きくなります。
給付制限中に再就職した場合も受け取れますか?
待期満了後1か月間については、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であることが必要です。この期間を過ぎれば自分で見つけた就職先でも対象になります。給付制限が無い場合は、待期の7日間が経過したあとであれば就職の経路を問われません。
再就職手当の申請期限はいつまでですか?
就職した日の翌日から起算して1か月以内です(雇用保険法施行規則82条の5)。本人が持参するほか、代理人による提出と郵送も認められています。就職日の前日までの失業の認定も必要なので、就職が決まった時点でハローワークに段取りを確認してください。
派遣社員でも再就職手当の対象になりますか?
派遣であることそのものは対象外の理由になりません。ハローワークの案内が要件に該当しない例として挙げているのは、派遣就業で雇用期間が定められ、雇用契約の更新が見込まれない場合です。更新が見込まれるかどうかで決まり、判断はハローワークが行います。
就業促進定着手当の上限は30%や40%ではないのですか?
現在の上限は基本手当の支給残日数の20%です。40%が上限になるのは令和7年3月31日以前に再就職して再就職手当を受けた場合で、それ以降は支給率にかかわらず20%です。雇用保険法56条の3第3項も「十分の二」を限度と定めています。

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最終更新: 2026年9月29日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日

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