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たいしょくん

再就職と就労

就業促進定着手当 — 上限は支給残日数の20%、申請は2か月以内

公的機関の計算例と一致することを確認済み最終更新: 本文 約2,500字

就業促進定着手当は、再就職手当を受けた人が同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用され、再就職後6か月間の賃金の1日分が離職前の賃金日額を下回ったときに支給されます。額は「離職前の賃金日額 − 再就職後6か月間の賃金の1日分」に、その6か月間の賃金の支払基礎日数を掛けたもので、上限は基本手当日額 × 支給残日数 × 20%です(令和7年4月1日以後の再就職)。申請は就職日から6か月目に当たる日の翌日から2か月以内に、再就職手当を申請したハローワークへ出します。

自分の条件では、いつ・いくらになるか。 退職理由・年齢・勤続年数・月収の4つで計算します。

シミュレーターで計算する

支給される条件 — 3つすべてを満たす

この手当は、再就職手当を受けた人だけが対象です。再就職手当そのものの要件と支給率は再就職手当の条件と計算方法にまとめているので、ここでは再就職手当を受けたあとの6か月間に絞って説明します。

ハローワークのリーフレットは、次の3つをすべて満たす人を支給対象者としています。

  • 再就職手当の支給を受けていること
  • 再就職手当の支給を受けた再就職の日から、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること
  • 再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること

支給額の計算式

支給額は「(離職前の賃金日額 − 再就職後6か月間の賃金の1日分の額) × 再就職後6か月間の賃金の支払基礎となった日数」です。施行規則83条の3は、同じ式を「算定基礎賃金日額からみなし賃金日額を減じて得た額」に支払基礎日数を掛けた額と定めています。この額が次の節の上限を超える場合は、上限額までになります。

離職前の賃金日額は、原則として受給資格者証の1面14欄に書かれている額です。再就職後の1日分は、月給なら6か月間の賃金の合計を180で割って求めます。日給・時給の場合は、合計を180で割った額と、合計を賃金支払いの基礎となった日数で割って70%を掛けた額のうち、高い方を使います。

6か月間の賃金は、税金や雇用保険料が控除される前の総支給額で数え、通勤手当や皆勤手当も含みます。夏冬の賞与など3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含みません。就職日が賃金締切日の翌日でない場合は、就職後最初の賃金締切日の後の6か月分で数えます。

支払基礎となった日数は、原則として月給制なら暦日数、日給月給ならその基礎となる日数、日給制・時給制なら労働日数です。離職前の賃金日額と再就職後の1日分のどちらも、次の表の上限額を超えれば上限額、下限額より低ければ下限額に置き換えます。

「離職前の賃金日額」から「再就職後の賃金の日額」を引いた「下がった分」に「支払基礎日数」を掛けて、青い「支給額」になる。支給額の右端に「上限」の縦線があり、その先の斜線の区間に「上限を超える分は支給されない」と添えてある。
離職前の賃金日額から再就職後の賃金の日額を引いた分に支払基礎日数を掛けた額が支給額になる。上限を超える部分は支給されない。
離職前の賃金日額と再就職後の賃金の1日分に適用される上限額・下限額(毎年8月1日改定)
離職時の年齢賃金日額の上限・下限(円)
上限・30歳未満14,900
上限・30歳以上45歳未満16,540
上限・45歳以上60歳未満18,220
上限・60歳以上65歳未満17,400
下限・全年齢共通3,203
出典: ハローワーク「就業促進定着手当のご案内」

計算方法と根拠

  1. 離職前の賃金日額を確かめる

    受給資格者証の1面14欄の額(上限額・下限額の範囲に収める)

  2. 再就職後6か月間の賃金の1日分を求める

    月給: 6か月間の賃金合計 ÷ 180 / 日給・時給: max(合計 ÷ 180, 合計 ÷ 支払基礎日数 × 70%)

    賞与など3か月を超える期間ごとの賃金は含めません。結果も上限額・下限額の範囲に収めます。

  3. 賃金の下がった分から額を求める

    (離職前の賃金日額 − 再就職後の1日分) × 6か月間の支払基礎日数

  4. 上限と比べる

    min(上の額, 基本手当日額 × 支給残日数 × 20%)

    基本手当日額は再就職手当と同じ上限つきで、離職時60歳未満は6,745円、60歳以上65歳未満は5,454円までです。

上限は支給残日数の20% — 令和7年4月以後の再就職

上限額は「基本手当日額 × 支給残日数 × 20%」です。ここでの基本手当日額は再就職手当の計算に使うものと同じで、離職時の年齢が60歳未満なら6,745円、60歳以上65歳未満なら5,454円が上限です。支給残日数も、再就職した日の前日の支給残日数で、再就職手当の計算に使った日数と同じです。

「再就職手当が70%なら30%、60%なら40%」という説明を見かけますが、それは令和7年3月31日以前に再就職して再就職手当を受けた場合の扱いです。令和6年の改正法は令和7年4月1日に施行され、その附則3条は、施行日以後に安定した職業に就いた人に改正後の規定を、施行日前に就いた人には従前の例を適用すると定めています。いま再就職する人の上限は、再就職手当の支給率にかかわらず20%です。

計算例です(仮の数字)。離職時35歳、離職前の賃金日額10,000円(月給30万円相当)の人が、所定給付日数90日のうち60日を残して月給240,000円の職に就いたとします。再就職後の1日分は8,000円で、6か月間の暦日数が183日なら、下がった分は(10,000円 − 8,000円) × 183日 = 366,000円です。一方、この人の基本手当日額は6,307円なので、上限は6,307円 × 60日 × 20% = 75,684円です。支給額は低い方の75,684円になります。支給残日数が少ないほど、上限で頭打ちになりやすい仕組みです。

基本手当日額に支給残日数に相当する日数に十分の二を乗じて得た数を乗じて得た額を限度として厚生労働省令で定める額を加えて得た額

— 雇用保険法56条の3第3項1号(e-Gov 法令検索 雇用保険法56条の3(就業促進手当))

再就職手当の額に、基本手当日額 × 支給残日数 × 20%を限度とする額を加える、という定めです。

就業促進定着手当の上限の割合(再就職した日と再就職手当の支給率による)
再就職した日再就職手当の支給率(%)上限の割合・支給残日数に対して(%)
令和7年4月1日以後70または6020
令和7年3月31日以前7030
令和7年3月31日以前6040
出典: ハローワーク「就業促進定着手当のご案内」 / e-Gov 法令検索 雇用保険法 附則(令和6年法律第26号)3条(就業促進手当の支給に関する経過措置)

申請の期限と必要書類

申請の期限は、就職した日から起算して6箇月目に当たる日の翌日から起算して2か月以内です(雇用保険法施行規則83条の4)。ハローワークのリーフレットは「再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月間」と書いています。6か月が経つ前には申請できず、経ったあとも2か月で締め切られます。自分の期限日は、ハローワークで確認してください。

申請書は、再就職手当の支給決定通知書と一緒にハローワークから郵送されてきます。提出先は再就職手当の支給申請をしたハローワークで、郵送でも申請できます。

添付するのは、6か月間の出勤簿の写しと、6か月間の給与明細または賃金台帳の写しです。就職日が賃金締切日の翌日でない場合は、就職後最初の賃金締切日の後の6か月分を用意します。これに受給資格者証を添えます(受給資格通知の交付を受けている場合は、マイナンバーカードを提示します)。

支給が決定されると、その翌日から起算して7日以内に支給されます(雇用保険法施行規則83条の5)。申請から決定までの日数を定めた規定は確認できていないため、当サイトは入金の時期を示しません。

就業促進定着手当の申請の流れ

  1. 申請書を受け取る再就職手当の支給決定のとき

    就業促進定着手当の支給申請書が、再就職手当の支給決定通知書と一緒にハローワークから郵送されます。

  2. 同じ事業主のもとで6か月働く再就職の日から6か月

    雇用保険の被保険者として同じ事業主に雇用されている必要があり、途中で資格を失うと対象外になります。

  3. 書類をそろえる

    申請書、雇用保険受給資格者証、6か月間の出勤簿の写し、6か月間の給与明細または賃金台帳の写しを用意します。

  4. ハローワークに提出する6か月経過した日の翌日から2か月間

    再就職手当の支給申請をしたハローワークへ提出します。郵送でも申請できます。

出典: ハローワーク「就業促進定着手当のご案内」

受け取ったあとに離職した場合

雇用保険法56条の3第4項により、支給された就業促進手当は、その額を基本手当日額で割った日数分の基本手当を支給したものとみなされます。このため、就業促進定着手当を受けたあとに離職して失業の状態になった場合に受けられる可能性があるのは、再就職手当と就業促進定着手当の分を除いた残りの日数分です。

リーフレットはこれを「受給できる場合があります」と書いており、必ず受けられるとは述べていません。再就職後に12か月(解雇・倒産などによる退職の場合は6か月)以上働いたあとは新たな受給資格が生じ、その受給資格で基本手当を受けることになります。再就職手当だけを受けて離職した場合の扱いは再就職手当を受けたあとに離職した場合にまとめています。どちらの場合も、可否はハローワークで確認してください。

よくある質問

再就職手当が70%だった場合、就業促進定着手当の上限は30%ですか?
30%にはなりません。令和7年4月1日以後に再就職した場合は、再就職手当の支給率にかかわらず上限は支給残日数の20%です。30%(支給率70%のとき)と40%(支給率60%のとき)は、令和7年3月31日以前に再就職して再就職手当を受けた場合に限られます。
就業促進定着手当の申請はいつからいつまでですか?
就職日から6箇月目に当たる日の翌日から起算して2か月以内です(雇用保険法施行規則83条の4)。6か月が経つ前には申請できません。申請書は再就職手当の支給決定通知書と一緒にハローワークから郵送されます。
賞与は再就職後6か月間の賃金に含まれますか?
含まれません。夏冬の賞与など3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除きます。一方で通勤手当や皆勤手当は含み、税金や雇用保険料が控除される前の総支給額で数えます。
6か月たつ前に転職した場合は受け取れますか?
受け取れません。再就職手当を受けた再就職の日から、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていることが要件です。事業主の都合による出向などでも、6か月が経つ前にその再就職先で被保険者資格を失えば対象外です。
起業して再就職手当を受けた場合も対象になりますか?
対象になりません。ハローワークのリーフレットは、起業により再就職手当を受給した場合には就業促進定着手当は受けられないと明記しています。雇用されて再就職手当を受けた人だけが対象です。

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最終更新: 2026年9月26日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日

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