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たいしょくん

60歳以上

高年齢再就職給付金か再就職手当か — 60〜64歳の額を比べる

公的機関の計算例と一致することを確認済み最終更新: 本文 約3,100字

60歳に達した日以後に再就職すると、同じ就職について受け取れるのは、再就職手当か高年齢再就職給付金のどちらか一方です(雇用保険法61条の2第4項)。高年齢再就職給付金は、算定基礎期間が5年以上あり、基本手当を受けたうえで、就職日の前日の支給残日数が100日以上あるときに、再就職後の賃金が離職前の賃金月額の75%を下回った月について支給されます。額は賃金の最大10%で、支給は就職日の翌日から数えて、残日数が200日以上なら2年、100日以上なら1年を経過する日の属する月まで(65歳に達する月まで)です。

自分の条件では、いつ・いくらになるか。 退職理由・年齢・勤続年数・月収の4つで計算します。

シミュレーターで計算する

60歳に達した日以後の同じ再就職では、再就職手当と高年齢再就職給付金のどちらか一方を受け取る

再就職手当は、基本手当の支給残日数に応じて一括で支給される給付です。高年齢再就職給付金は、基本手当を受けたあと60歳に達した日以後に再就職し、賃金が離職前より下がったときに、再就職後の月について支給される給付で、算定基礎期間などの要件があります(次の節)。雇用保険法61条の2第4項は、同じ就職について一方を受けたら、もう一方は支給しないと定めています。

ハローワークのパンフレットも「どちらか一方の給付金が支給された場合、もう一方の給付金については支給を受けることができなくなりますので、慎重に選択してください。」と案内しています。どちらを選ぶかは本人が決めることで、当サイトは判断しません。

再就職手当を申請して審査の結果不支給になった場合でも、高年齢再就職給付金の要件を満たしていれば申請できます(同パンフレット)。

高年齢再就職給付金の支給を受けることができる者が、同一の就職につき就業促進手当(第五十六条の三第一項第一号に該当する者に係るものに限る。以下この項において同じ。)の支給を受けることができる場合において、その者が就業促進手当の支給を受けたときは高年齢再就職給付金を支給せず、高年齢再就職給付金の支給を受けたときは就業促進手当を支給しない。

— 雇用保険法61条の2第4項(e-Gov 法令検索 雇用保険法61条の2(高年齢再就職給付金))

再就職手当(就業促進手当の一種)と高年齢再就職給付金は、同じ就職ではどちらか一方しか受け取れません。

再就職手当と高年齢再就職給付金の違い
項目再就職手当高年齢再就職給付金
主な要件支給残日数が所定給付日数の3分の1以上。離職前の事業主や、求職の申込みより前に内定していた事業主に雇われたのではないことなど算定基礎期間5年以上、基本手当を受けたことがある、支給残日数100日以上、再就職後の賃金が賃金月額の75%未満
額基本手当日額(離職時60〜64歳は上限5,454円)× 支給残日数 × 60%または70%再就職後の賃金の最大10%(支給対象月ごと。上限あり)
受け取り方一括原則2か月ごと。就職日の翌日から数えて、残日数200日以上なら2年、100日以上なら1年を経過する日の属する月まで(65歳に達する月まで)
申請の期限就職日の翌日から1か月以内最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4か月以内(初回)
あとで受けられるもの・調整要件を満たせば就業促進定着手当受ける期間は、特別支給の老齢厚生年金の一部が止まる場合がある
出典: e-Gov 法令検索 雇用保険法61条の2(高年齢再就職給付金) / ハローワーク「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」(令和8年8月版) / ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内」

高年齢再就職給付金は、基本手当を受けたあと、算定基礎期間5年以上・残日数100日以上で、賃金が75%未満に下がった月に出る

雇用保険法61条の2第1項は、対象を、離職の日の算定基礎期間が5年以上あり、その受給資格に基づく基本手当の支給を受けたことがある人に限っています。60歳に達した日以後に安定した職業に就いて雇用保険の被保険者になり、就職日の前日の支給残日数が100日以上あることも要件です。

「60歳に達した日」は60歳の誕生日の前日です(年齢計算ニ関スル法律)。比べる相手は60歳時点の賃金ではなく、基本手当の日額の計算に使った賃金日額を30倍した額(賃金月額)で、再就職後の賃金がその75%を下回った月が支給の対象です。

60歳以後も雇用保険に入ったまま働き続け、基本手当を受けていない人は、高年齢再就職給付金ではなく高年齢雇用継続基本給付金(雇用保険法61条)の側です。そちらの要件は高年齢雇用継続基本給付金の要件で扱っています。

支給対象月ごとの額は再就職後の賃金の最大10%で、就職日の翌日から2年または1年を経過する月まで

額は、再就職後の賃金が賃金月額の64%未満なら賃金の10%で、64%以上75%未満のあいだは、雇用保険法施行規則101条の4の式で10%から下がっていきます(61条5項を61条の2第3項で準用)。賃金が397,369円以上の月は支給されず、賃金と合わせて397,369円を超える月は、397,369円から賃金を引いた額になります。算定した額が2,562円以下の月も支給されません(61条6項)。これらの額は毎年8月1日に改定されます。

この10%の率は、2025年4月1日以後に再就職した人に使われます(令和2年法律第14号附則3条2項)。高年齢雇用継続基本給付金では率を分けるのが「60歳に達した日」ですが、高年齢再就職給付金では就職した日です。

支給は、就職日の前日の残日数が200日以上なら就職日の翌日から2年、100日以上200日未満なら1年を経過する日の属する月までで、65歳に達する日(65歳の誕生日の前日)の属する月が上限です(61条の2第2項)。月の初日から末日まで雇用保険の被保険者である月が対象なので、月の途中で就職するとその翌月からになります。1日に就職すると就職した月も数えるため、1年の場合でも13か月、2年なら25か月になり、15日に就職すると1年で12か月です。

この節の下の計算では、生年月日・離職日・離職前の月収・加入期間・離職理由と、再就職する日・その前日の残日数・再就職後の月給から、再就職手当の額と、高年齢再就職給付金の1か月あたりの額・月数・合計を並べて示します。

見出し「支給の対象になる月」の下に、同じ幅の月の枠が上下2段に並び、どちらの段も途中を「//」で省いている。上段「月の初日に就職」は、いちばん左の枠の左端に「就職」の印があり、すべての枠が青く、「就職した月も数える」とある。下段「月の途中で就職」は、いちばん左の枠の中ほどに「就職」の印があり、その枠だけが斜線の入ったグレーで「この月は数えない」とあり、翌月から青い。どちらの段も右端の同じ縦線で終わり、「終わりの月は同じ」とある。下に凡例「支給の対象」(青)と「数えない」(斜線の入ったグレー)がある。
高年齢再就職給付金の対象は、月の初日から末日まで雇用保険の被保険者である月。月の途中で就職すると、その月は数えず、翌月から対象になる。

再就職手当と高年齢再就職給付金の額の計算

60歳に達した日以後の同じ就職について受け取れるのは、再就職手当(一括)か高年齢再就職給付金(月ごと)のどちらか一方です。入力した内容はブラウザの中だけで処理しており、送信していません。

離職と基本手当
円
年

前に基本手当や再就職手当を受けたことがあれば、そのときの離職より前の期間は数えません。前の勤め先を辞めてから1年を超えて間が空いた場合も、それより前は数えません。

離職理由
再就職
日

所定給付日数150日のうち、まだ支給を受けていない日数です。

円

再就職手当は一括で449,232円、高年齢再就職給付金は13か月で合計189,085円の計算です。

再就職手当(一括)
449,232円基本手当日額5,348円(上限5,454円)× 残り120日 × 70%
高年齢再就職給付金(月ごとの額の合計)
189,085円1か月あたり14,545円 × 13か月(2026年10月〜2027年10月)

離職時の賃金月額(賃金日額 × 30)は300,000円で、再就職後の月給はその66.67%です。75%未満に下がった月が支給の対象で、64%未満なら月給の10%です。

  • 同じ就職について受け取れるのはどちらか一方で、一方を受け取るともう一方は支給されません。再就職手当の申請は就職日の翌日から1か月以内、高年齢再就職給付金の初回の申請は最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4か月以内です。
  • 高年齢再就職給付金は、就職日の翌日から、支給残日数が200日以上なら2年、100日以上なら1年を経過する日の属する月まで(65歳に達する月まで)、月の初日から末日まで雇用保険に入っている月ごとに計算します。支給は原則2か月ごとで、合計は毎月同じ月給が続き、途中で辞めない場合の額です。
  • 月給が397,369円以上の月は支給されません。この額と、少額で支給されない線は毎年8月1日に改定されるので、改定後の月の額は変わることがあります。
  • 再就職手当は、待期のあとの就職であることや、1年を超えて勤務することが確実であることなどの要件をすべて満たした場合の額です。計算に使う基本手当日額の上限も毎年8月1日に改定されます。受け取った人は、条件を満たせば就業促進定着手当も対象になります。
  • 特別支給の老齢厚生年金を受けながら高年齢再就職給付金を受ける期間は、年金の一部が止まる場合があります。受け取れるかどうかは、ハローワークが判断します。

このシミュレーションは公開されている制度情報にもとづく概算です。受給資格や実際の金額を決定するのはハローワークであり、個別の事情によって結果は変わります。手続きや個別の判断についてはハローワークまたは社会保険労務士にご相談ください。

再就職手当は残日数に応じた一括払いで、離職時60〜64歳の日額の上限は5,454円

再就職手当は、基本手当日額に支給残日数を掛け、残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%を掛けた額です。計算に使う基本手当日額には専用の上限があり、離職時の年齢が60歳以上65歳未満なら5,454円、59歳以下なら6,745円です。上限額は毎年8月1日に改定されます。条件と計算の詳しい説明は再就職手当の支給額の計算にあります。

再就職手当を受けた人が再就職先に6か月以上雇われ、その6か月間の賃金が離職前の賃金より低い場合は、就業促進定着手当を受けられることがあります。就業促進定着手当は再就職手当の支給を受けた人の給付なので、高年齢再就職給付金を選んだ場合は対象になりません。

特別支給の老齢厚生年金を受けている人は、高年齢再就職給付金を受ける期間に年金の一部が止まることがある

厚生年金保険法附則11条の6第8項は、高年齢雇用継続基本給付金を受ける人の年金の調整を、特別支給の老齢厚生年金を受ける権利がある人が被保険者として働く月に、高年齢再就職給付金を受けられる場合にも準用しています。ハローワークのパンフレットも、高年齢再就職給付金を受ける期間は「特別支給の老齢厚生年金(在職老齢年金)の支給額が一部調整(年金の一部支給停止)される場合があります」と案内しています。調整の仕組みは高年齢雇用継続給付と年金の調整で扱っています。そこにある止まる割合は高年齢雇用継続基本給付金についての説明で、高年齢再就職給付金では、比べる相手が60歳到達時の賃金ではなく、基本手当の計算に使った賃金日額になります(同項の読み替え)。

基本手当を受けている間の年金の停止は別の仕組みで、失業保険と65歳前の老齢厚生年金で扱っています。年金の額と止まる額は、日本年金機構が決めます。

申請は、再就職手当が就職日の翌日から1か月以内、高年齢再就職給付金は最初に支給を受けようとする月から4か月以内

同じ就職ではどちらか一方しか受け取れないので、申請する給付を選んでから、その給付の期限内に申請します。ハローワークのパンフレットは「選択した給付金を受けるためには、その申請期限内に申請を行う必要があります。」と案内しています。

高年齢再就職給付金の初回の申請は、最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4か月以内に、原則として事業主を経由してハローワークに出します(雇用保険法施行規則101条の7第1項)。やむを得ない理由のため事業主を経由して提出することが困難なときは本人が提出でき(同項ただし書)、パンフレットは本人が自分で手続きをしたい場合も本人が提出できると案内しています。

高年齢再就職給付金の申請の流れ

  1. 受給資格確認票を出す雇用保険の資格取得届と同時が原則

    事業主が「高年齢雇用継続給付受給資格確認票」を、雇用保険被保険者資格取得届とあわせてハローワークに出します。

  2. 初回の支給申請をする最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4か月以内

    支給申請書に、賃金台帳や労働者名簿、出勤簿など記載内容を確認できる書類と、年齢が確認できる書類を添えて出します。

  3. 2回目からの支給申請をする原則として2か月に1度

    ハローワークから指定された支給申請月の中に申請します。

出典: ハローワーク「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」(令和8年8月版)

残日数・65歳までの月数・再就職後の賃金で、先に確かめることが変わる

受け取れる額は、残日数が多いか、65歳までに支給対象月がいくつ入るか、再就職後の賃金がどれだけ下がるかで入れ替わります。どちらが多いかは人によって違うので、この記事の計算で自分の数字を入れて確かめてください。

64歳と65歳で受け取れる給付の違いは65歳の分かれ目は誕生日の前日にまとめています。

60〜64歳で再就職するときに、状況ごとに先に確かめること
状況先に確かめること
残日数が100日未満高年齢再就職給付金は対象外。再就職手当は、残日数が所定給付日数の3分の1以上あれば対象になりうる
給付制限の間に就職する基本手当を受けていないので高年齢再就職給付金は対象外。再就職手当は、紹介の経路などの要件を満たせば対象になりうる
65歳の誕生日が近い高年齢再就職給付金は65歳に達する月までなので、支給対象月が少なくなる
再就職後の賃金が賃金月額の75%以上高年齢再就職給付金はその月は支給されない。再就職手当は、要件を満たせば対象になりうる
特別支給の老齢厚生年金を受けている高年齢再就職給付金を受ける期間は、年金の一部が止まる場合がある
出典: e-Gov 法令検索 雇用保険法61条の2(高年齢再就職給付金) / ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内」 / ハローワーク「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」(令和8年8月版) / e-Gov 法令検索 厚生年金保険法(附則11条の6 高年齢雇用継続給付との調整)

よくある質問

再就職手当と高年齢再就職給付金は、両方もらえますか?
同じ就職では、どちらか一方です。雇用保険法61条の2第4項は、一方を受けたら、もう一方は支給しないと定めています。再就職手当を申請して不支給になった場合でも、高年齢再就職給付金の要件を満たしていれば申請できます。
どちらを選ぶと、多く受け取れますか?
人によって違います。再就職手当は残日数に応じた一括払い、高年齢再就職給付金は再就職後の賃金の最大10%を、就職日の翌日から数えて2年(残日数が200日未満なら1年)を経過する日の属する月まで(65歳に達する月まで)受け取る仕組みで、残日数・再就職後の賃金・65歳までの月数で多い方が入れ替わります。この記事の計算で、自分の数字を入れて確かめられます。
給付制限の間に就職したら、高年齢再就職給付金はもらえますか?
もらえません。高年齢再就職給付金は、その受給資格に基づく基本手当の支給を受けたことがある人に限られます(雇用保険法61条の2第1項)。基本手当を受ける前に就職した場合は、要件を満たせば再就職手当の対象です。
60歳に達する日(60歳の誕生日の前日)より前に就職したら、対象になりますか?
対象になりません。高年齢再就職給付金は、60歳に達した日以後の就職が対象で、60歳に達した日は60歳の誕生日の前日です。誕生日の前日に就職した場合は、その日が60歳に達した日なので対象になりえます。それより前の就職では、要件を満たせば再就職手当の対象になります。
高年齢再就職給付金の率が最大15%のままの人はいますか?
います。2025年3月31日以前に再就職した人です。令和2年法律第14号附則3条2項により、2025年4月1日以後に再就職した人には最大10%の率が使われ、60歳に達した日がいつかは関係しません。
65歳の誕生日が近い場合は、どうなりますか?
高年齢再就職給付金を受けられる月が少なくなります。支給は65歳に達する日(65歳の誕生日の前日)の属する月までなので、残日数が多くても、65歳までの月数で打ち切られます。

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出典と更新情報

最終更新: 2026年9月29日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日

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