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高年齢雇用継続給付 — 2025年4月に15%から10%へ下がり、年金の停止も6%から4%になった

公的機関の計算例と一致することを確認済み最終更新: 2026年9月7日本文 約2,400

高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以降も働き続けて賃金が60歳到達時の75%未満に下がったときに、雇用保険から支給される給付です。雇用保険法61条5項1号は率を10分の1と定めており、厚生労働省は60歳に達した日が2025年4月1日以降の人から支給率が15%から10%へ変わると案内しています。同時に、年金側の支給停止も標準報酬月額の最高6%から最高4%へ下がりました。基準になるのは支給を受ける月ではなく「60歳に達した日」です。

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賃金が75%未満に下がったときの給付

雇用保険法61条1項は、支給対象月に支払われた賃金の額が、みなし賃金日額に30を掛けた額の75%に相当する額を下回ったときに支給すると定めています。みなし賃金日額は、60歳に達した日を離職の日とみなして賃金日額を算定したもので、いわば60歳時点の賃金水準です。

対象は60歳以上65歳未満の一般被保険者で、被保険者であった期間が5年以上あることが要ります。5年に満たない場合は同項1号により支給されません。

厚生労働省の案内は対象を「60歳到達等時点に比べて賃金が75%未満に低下した状態で働き続ける60歳以上65歳未満の一定の雇用保険一般被保険者」と説明しています。辞めた人ではなく、働き続ける人のための給付です。

高年齢雇用継続基本給付金の額は、一支給対象月について、次の各号に掲げる区分に応じ、当該支給対象月に支払われた賃金の額に当該各号に定める率を乗じて得た額とする。ただし、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額とする。

雇用保険法61条5項e-Gov 法令検索 雇用保険法61条(高年齢雇用継続基本給付金)

賃金に率を掛けた額が給付になり、賃金と合わせて支給限度額を超える分は切られます。

率は10%。ただし基準は「60歳に達した日」

雇用保険法61条5項1号は、賃金がみなし賃金日額に30を掛けた額の64%に相当する額を下回るときの率を10分の1としています。64%から75%の間は、2号により10%から一定の割合で逓減する率になります。

厚生労働省は、60歳に達した日が2025年3月31日以前の人は「各月に支払われた賃金の15%(従来の支給率)を限度として支給」、2025年4月1日以降の人は「各月に支払われた賃金の10%(変更後の支給率)を限度として支給」と案内しています。

基準になるのは支給を受ける月ではありません。2025年3月31日までに60歳に達していれば、その後も15%のままです。ここを取り違えると見込みが1.5倍ずれます。

60歳に達した日による支給率の違い
60歳に達した日支給率の上限年金の支給停止(標準報酬月額に対する上限)
2025年3月31日以前15%6%
2025年4月1日以降10%4%
出典: 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」 / 日本年金機構「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」

年金も一部止まる

特別支給の老齢厚生年金を受けながら厚生年金保険の被保険者として働き、高年齢雇用継続給付を受けられる月は、在職による支給停止に加えて年金の一部が止まります。厚生年金保険法附則11条の6がこの調整を定めています。

止まる額は、標準報酬月額がみなし賃金日額に30を掛けた額の64%に相当する額を下回るときで、標準報酬月額に100分の4を掛けた額です。日本年金機構は「支給停止される年金額は、最高で賃金(標準報酬月額)の4%に当たる額です」と説明しています。

2025年3月31日以前に要件を満たす場合は、同機構の案内どおり標準報酬月額の最大6%です。給付率の分岐と同じ日で分かれています。

支給されない月がある

雇用保険法61条2項は支給対象月を「その月の初日から末日まで引き続いて、被保険者であり」と定めています。月の途中で被保険者でなくなった月は、支給対象月になりません。

同項は、介護休業給付金や育児休業給付金などを受けられる休業を取得した月、教育訓練休暇給付金を受けられる休暇を取得した月も支給対象月から外しています。

同条1項2号には支給限度額の定めがあり、支給対象月に支払われた賃金がその額以上のときは支給されません。支給限度額は同条7項により毎年8月1日以後の分が改定されるため、本サイトでは現在額を掲げていません。最新の額は厚生労働省の案内で確認してください。

  • 月の初日から末日まで引き続いて被保険者でない月は対象外
  • 介護休業給付金・育児休業給付金等を受けられる休業を取得した月は対象外
  • 教育訓練休暇給付金を受けられる休暇を取得した月は対象外
  • 賃金が支給限度額以上の月は支給されない

辞める場合の給付とは別のもの

この給付は働き続ける人のためのものです。60歳以降に辞めた場合は基本手当の対象になり、65歳以上で辞めた場合は高年齢求職者給付金になります。後者の金額と手続きは65歳以上で退職したらにあります。

働き続けるか辞めるかで年金の扱いも変わります。求職の申込みをすると特別支給の老齢厚生年金は翌月から全額止まるのに対し、働き続けてこの給付を受ける場合は一部にとどまります。全額止まるほうの仕組みは65歳前の年金と失業保険で扱っています。

再就職した場合は別の給付になる

基本手当を受けたあとに60歳以降で再就職し、賃金が下がった場合は、高年齢雇用継続基本給付金ではなく高年齢再就職給付金の対象になります。ただし雇用保険法61条の2第1項は、離職の日の算定基礎期間が5年以上あり、その受給資格で基本手当を受けたことがある人に限っています。同項1号は、就職日の前日の支給残日数が100日未満のときは支給しないと定めています。

厚生年金保険法附則11条の6第8項は、高年齢雇用継続基本給付金について定めた年金の調整を、高年齢再就職給付金にも準用しています。

雇用保険法61条の2第4項により、再就職手当と高年齢再就職給付金は、同じ就職についてどちらか一方の選択になります。再就職手当の条件は再就職手当の条件と計算方法にまとめてあります。

申請するのは事業主経由

高年齢雇用継続基本給付金を初めて申請するときは、雇用保険法施行規則101条の5第1項により、支給対象月の初日から4か月以内に事業主を経由してハローワークへ提出します。ただし同項ただし書は、やむを得ない理由で事業主を経由できないときは本人が提出できるとしています。いずれにせよ勤務先の担当部署に確認することになります。

本サイトは制度の仕組みを説明しますが、個別の支給額や支給の可否は判断しません。みなし賃金日額の算定も、標準報酬月額との突合も、ハローワークと日本年金機構が行います。

よくある質問

賃金がどれくらい下がると対象になりますか?
60歳到達時の賃金水準の75%未満に下がったときです(雇用保険法61条1項)。64%を下回るところまで下がっていれば率は上限の10%になり、64%から75%の間は10%から逓減します(同条5項)。
支給率が15%から10%になったのはいつからですか?
60歳に達した日が2025年4月1日以降の人からです。2025年3月31日以前に60歳に達していれば、その後も15%のままです。厚生労働省は基準を「60歳に達した日」としており、支給を受ける月ではありません。
この給付を受けると年金は止まりますか?
一部が止まります。在職による支給停止に加えて、標準報酬月額の最高4%に当たる額が止まります(厚生年金保険法附則11条の6)。2025年3月31日以前に要件を満たす場合は最大6%です。
雇用保険の加入期間が短くても受けられますか?
被保険者であった期間が5年以上必要です。雇用保険法61条1項1号は、算定した期間が5年に満たないときは支給しないと定めています。期間の数え方は同法22条3項・4項によります。
辞めた場合もこの給付を受けられますか?
受けられません。支給対象月は「その月の初日から末日まで引き続いて被保険者である月」に限られます(雇用保険法61条2項)。離職した場合は基本手当または高年齢求職者給付金の対象になります。

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出典と更新情報

データ最終確認: 2026年9月7日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日

制度改定とサイト更新の履歴