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65歳以上で離職した場合は、基本手当ではなく高年齢求職者給付金という一時金が支給されます。額は基本手当日額の30日分(算定基礎期間1年未満)または50日分(1年以上)です。受給期限は離職の日の翌日から1年で、この期限までに失業の認定を受けないと、残り日数のぶんしか支給されません。基本手当と違って受給期限の延長はできません。
65歳以上で離職した人は高年齢受給資格者となり、基本手当ではなく高年齢求職者給付金が支給されます。基本手当のように28日ごとの認定を重ねて分割で受け取るのではなく、認定を1回受けて一括で支給されます。
厚生労働省の業務取扱要領は「失業の認定の日に失業の状態にあればよいのであり、翌日から就職したとしても返還の必要はない」と明記しています。基本手当のように、受給中ずっと失業の状態を保つ必要はありません。
受給要件は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あることです。被保険者期間は、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月を1か月と数えます。11日以上の月が6か月ない場合は、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として計算します。金額はトップページのシミュレーターで年齢に65以上を入力すると計算できます。
雇用保険法37条の4第1項は、算定基礎期間が1年以上なら50日分、1年未満なら30日分と定めています。基本手当のように年齢や離職理由で日数が変わることはありません。
| 算定基礎期間 | 支給日数(日) |
|---|---|
| 1年以上 | 50 |
| 1年未満 | 30 |
1日あたりの額は基本手当日額と同じ方法で求めますが、賃金日額の上限に使う区分が独特です。雇用保険法37条の4第1項は「第十七条第四項第二号を除く」と括弧書きで年齢別の上限を外し、第2項が「第十七条第四項第二号ニに定める額」を上限として指定しています。
17条4項2号のニは「三十歳未満である受給資格者」の区分です。65歳以上だから60〜64歳の区分を使う、という理解は誤りになります。厚生労働省の業務取扱要領も、賃金日額の算定は「受給資格に係る離職の日において30歳未満である一般の受給資格者の場合と同様である」と明記しています。
給付率も同じで、60〜64歳に適用される45%への読み替え(16条2項)は「六十歳以上六十五歳未満である受給資格者」に限られるため、65歳以上には適用されません。一般の50〜80%になります。
賃金日額を求める
離職前6か月の賃金合計 ÷ 180
上限・下限を適用する
上限は30歳未満の区分(法37条の4第2項→17条4項2号ニ)
60〜64歳の区分ではありません。ここを取り違えると賃金の高い人の額が過大になります。
給付率を掛ける
一般の給付率50〜80%(60〜64歳の45%への読み替えは適用されない)
日数を掛ける
基本手当日額 × 30日分 または 50日分
雇用保険法37条の4第5項は、離職の日の翌日から起算して1年を経過する日までに、公共職業安定所へ出頭して求職の申込みをしたうえ、失業していることについての認定を受けなければならないと定めています。
第1項の括弧書きは、認定があった日から受給期限までの日数が30日分または50日分に満たない場合、その残り日数分が支給されると定めています。つまり基本手当のように後ろへずれるのではなく、支給日数そのものが縮みます。業務取扱要領は具体例として、受給期限日が12月5日で失業の認定があった日が11月21日の場合、基本手当日額の15日分になるとしています。
注意が必要なのは、認定日は待期の7日と給付制限が明けたあとに指定される点です。自己都合退職で給付制限がある場合、その分だけ認定日が後ろにずれ、受給期限までの残り日数が減ります。手続きを始めるのが遅いほど不利になります。
業務取扱要領は「当該1年間に疾病又は負傷等により職業に就くことができない期間があっても受給期限の延長は認められない」と明記しています。
基本手当には受給期間の延長(雇用保険法20条1項)がありますが、高年齢求職者給付金にはありません。この違いは大きいので、体調などの事情があっても1年の期限は動かないものとして予定を立ててください。基本手当側の延長については受給手続きの流れで説明しています。
業務取扱要領によれば、高年齢受給資格者には基本手当、各種延長給付、技能習得手当、寄宿手当、傷病手当が支給されず、就業促進手当・移転費・広域求職活動費といった就職促進給付も支給されません。つまり再就職手当は対象外です。
一方で、求職の申込みの日以後、失業の認定があった日の前日までのあいだに自分の労働による収入があっても、高年齢求職者給付金は減額されません。基本手当の内職減額とは扱いが違います。
データ最終確認: 2026年8月19日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日