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65歳前の年金と失業保険は同時に受け取れない — 止まるのは求職の申込みの翌月から

公的機関の計算例と一致することを確認済み最終更新: 2026年9月7日本文 約2,200

65歳前に受け取る特別支給の老齢厚生年金と、雇用保険の基本手当は同時には受けられません。厚生年金保険法附則7条の4第1項は、受給資格を持つ65歳未満の人がハローワークで求職の申込みをしたときに、その申込みがあった月の翌月から年金を支給停止すると定めています。同法附則11条の5がこの規定を特別支給の老齢厚生年金に準用しています。止まるのは離職した月ではなく、求職の申込みをした月の翌月からです。

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止まる起点は「求職の申込み」

調整の条文は厚生年金保険法の附則にあります。附則7条の4第1項が繰上げ支給の老齢厚生年金について支給停止を定め、附則11条の5がそれを附則8条の老齢厚生年金——いわゆる特別支給の老齢厚生年金——に準用しています。

止まる起点は求職の申込みをした月の翌月です。離職した月でも、待期が明けた月でも、初めて基本手当が振り込まれた月でもありません。ハローワークの窓口で求職の申込みをした時点で、翌月からの支給停止が決まります。

止まるのは一部ではなく全額です。基本手当と年金のどちらが多いかにかかわらず、条文は「その支給を停止する」としています。

附則第七条の四の規定は、附則第八条の規定による老齢厚生年金について準用する。

厚生年金保険法附則11条の5e-Gov 法令検索 厚生年金保険法(附則7条の4・11条の5・11条の6 雇用保険の給付との調整)

附則8条の老齢厚生年金が、65歳前に受け取る特別支給の老齢厚生年金です。

終わるのは受給期間の経過か、給付日数の消化

支給停止が終わる時点も条文が2つ挙げています。1つは受給期間が経過したとき、もう1つは所定給付日数に相当する日数分の基本手当の支給を受け終わったときです。延長給付を受ける人は、その延長給付が終わったときになります。

受給期間は原則として離職日の翌日から1年です。所定給付日数を早く消化すればそこで停止も終わりますが、消化しきれないまま1年が来た場合は受給期間の経過で終わります。仕組みは受給期間延長の申請で扱っています。

求職の申込みだけをして基本手当を受け取らなかった場合も、申込みをした事実で停止は始まります。受け取っていない月の分は後から精算されますが、その場で支払われるわけではありません。

特別支給の老齢厚生年金が止まる期間
時点起きること
離職した月年金は止まらない
求職の申込みをした月年金は止まらない
その翌月年金が全額支給停止になる
受給期間が経過した月、または所定給付日数を受け終わった月支給停止が終わる
出典: e-Gov 法令検索 厚生年金保険法(附則7条の4・11条の5・11条の6 雇用保険の給付との調整) / 日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」

受け取らなかった月は、あとから精算される

求職の申込みをしたあと、基本手当を1日も受けなかった月があった場合、その月の年金は後から支払われます。条文は、年金が停止された月の数から基本手当を受けた日数を30で割った数——1未満の端数は切り上げ——を差し引いた数の分だけ、直近の月について支給停止が行われなかったものとみなすと定めています。

日本年金機構は運用として「求職の申込みをした後で、基本手当を受けていない月がある場合、その月分についての年金はすぐに支給されず、3カ月程度後の支給となります」と説明しています。受給期間が経過したあとの支払い開始についても、同じく3か月程度後としています。

つまり止め方は月単位、精算は日数単位です。ここがずれるので、いったん止まった年金がすぐには戻りません。

65歳以降はこの調整の対象ではない

調整を定めているのは厚生年金保険法の附則で、対象は附則8条の老齢厚生年金と繰上げ支給の老齢厚生年金です。65歳から受け取る本来の老齢厚生年金は、この停止の対象になっていません。

65歳以上で離職した場合は、基本手当ではなく高年齢求職者給付金の対象になります。調整を定めた附則7条の4と附則11条の5が挙げているのは基本手当等で、高年齢求職者給付金は挙げられていません。ただし本サイトは「併給できる」と明記した公的資料を確認できていないため、受け取れると断定はしません。年金の側の扱いは日本年金機構に確認してください。金額と手続きは65歳以上で退職したらにまとめてあります。

64歳で辞めるか65歳で辞めるかで受け取れる給付が変わるのは、この違いがあるためです。分かれ目は64歳と65歳で受け取れる給付が変わるで扱っています。

働き続ける場合は別の調整になる

求職の申込みをせず、60歳以降も厚生年金保険の被保険者として働き続ける場合は、失業給付との調整ではなく、高年齢雇用継続給付との調整と在職老齢年金の対象になります。

高年齢雇用継続給付を受けられる月は、在職による支給停止に加えて年金の一部が止まります。止まる額は標準報酬月額の最高4%です。仕組みは高年齢雇用継続給付で扱っています。

全額止まる失業給付との調整に対して、こちらは一部にとどまります。どちらが有利かは年金額と賃金と基本手当日額の組み合わせで変わるため、本サイトは断定しません。

届出が要るかは年金事務所に確認する

雇用保険の給付と年金の調整は、日本年金機構とハローワークの情報の突合で行われます。ただし本サイトは、この突合があるから届出が要らない、と述べた公的資料を確認できていません。求職の申込みをしたときに年金事務所への届出が要るかどうかは、年金事務所に確認してください。

一方で、支給停止と精算の反映には時間差があります。通知が届く前に振込が止まったり、止まった後で戻ったりするのはこの仕組みによるものです。

判断するのは年金機構とハローワーク

本サイトは条文と公表されている運用を説明しますが、個別の年金額や停止額は計算しません。老齢厚生年金の額は納付の記録によって決まり、本サイトはその記録を持ちません。

自分の年金がいくら止まるかは、ねんきんネットまたは年金事務所で確認してください。基本手当の側の見込みは本サイトのシミュレーターで概算できます。

よくある質問

失業保険をもらうと年金は止まりますか?
65歳前の特別支給の老齢厚生年金は止まります。ハローワークで求職の申込みをした月の翌月から、受給期間が経過するか所定給付日数を受け終わるまで全額支給停止されます(厚生年金保険法附則7条の4第1項、同附則11条の5)。
離職しただけで年金は止まりますか?
止まりません。条文の起点は求職の申込みで、離職ではありません。離職しても求職の申込みをしなければ、この規定による支給停止は生じません。
求職の申込みだけして基本手当を受けなかった月はどうなりますか?
その月の年金は後から支払われます。日本年金機構は「その月分についての年金はすぐに支給されず、3カ月程度後の支給となります」と説明しています。止め方は月単位、精算は日数単位なのでずれが生じます。
65歳以降の年金も止まりますか?
止まりません。調整の対象は特別支給の老齢厚生年金と繰上げ支給の老齢厚生年金です。65歳以上で離職した場合は高年齢求職者給付金の対象になり、これは条文が挙げる調整の対象に含まれていません。ただし「併給できる」と明記した公的資料は確認できていないため、本サイトでは断定しません。年金の側の扱いは日本年金機構に確認してください。
年金と失業保険はどちらを選ぶべきですか?
金額の比較になるため、本サイトでは判断しません。基本手当日額に受けられる日数を掛けた額と、止まる月数分の年金額を並べて比べることになります。年金額は年金事務所、基本手当は住所地のハローワークで確認してください。

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データ最終確認: 2026年9月7日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日

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