健康保険と年金
退職後の国民年金 — 14日以内に切替え、払えなければ特例免除
会社を辞めて厚生年金保険から外れたら、国民年金の第1号被保険者への切替えを、退職日の翌日から14日以内に住所地の市区役所・町村役場へ届け出ます(国民年金法12条1項、同法施行規則6条の2第1項)。扶養されていた配偶者も第3号被保険者の資格を失うため、第1号の手続きが必要です。保険料が払えないときは免除・納付猶予を申請でき、失業等の事実を確認できれば、失業した本人の前年所得にかかわらず審査される特例があります。ただし世帯主と配偶者の所得審査は残ります。
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退職したら14日以内に第1号へ切り替える
在職中に厚生年金保険に加入していた人は、国民年金では第2号被保険者です。退職してしばらく次の会社に入らない場合や自営業者になった場合は、その期間は第1号被保険者になり、自分で国民年金保険料を納めます。
届出の義務は国民年金法12条1項が定め、期限は同法施行規則6条の2第1項が「当該事実があつた日から十四日以内」、届出先を市町村長としています。日本年金機構は同じ手続きの提出期限を「退職日の翌日から14日以内」と案内しています。厚生年金保険の資格を失うのは退職日の翌日なので、両者は同じ期限を指しています。
日本年金機構は、3月末に退職して4月1日から第1号被保険者になり、4月末以降も第1号被保険者である例で、4月分の保険料から納付すると説明しています。保険料は令和8年度で月額17,920円、納付期限は納付対象月の翌月末日です(国民年金法91条)。
被保険者(第三号被保険者を除く。次項において同じ。)は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を市町村長に届け出なければならない。
第1号被保険者への切替え(種別の変更)は、市区町村に届け出る義務があるという規定です。
窓口と持ちもの
手続き先は住所地の市区役所または町村役場で、提出書類は「国民年金被保険者関係届書(申出書)」です。届け出るのは本人のほか、世帯主が本人に代わって届け出ることもできます(国民年金法12条2項)。日本年金機構は電子申請も案内しています。
届出が遅れると、日本年金機構から「届出はお済みですか(国民年金加入のご案内)」が届く場合があります。
健康保険の任意継続(20日以内)など、ほかの手続きの期限と並べて確認したい場合は退職前後にやることリストと手続きの期限にまとめています。
第1号被保険者への切替えの手順
番号がわかる書類をそろえる
基礎年金番号通知書または年金手帳などの基礎年金番号がわかる書類か、マイナンバーカードを用意します。マイナンバーカードが無い場合は、マイナンバーが確認できる書類と運転免許証などの身元確認書類の2点です。
退職日がわかる書類を用意する
退職直後に手続きする場合は、厚生年金保険の資格喪失日を証明できるもの(離職票等)が必要になる場合があります。
市区町村の窓口に届け出る退職日の翌日から14日以内
住所地の市区役所または町村役場に国民年金被保険者関係届書(申出書)を提出します。本人のほか世帯主も提出できます。
配偶者が第3号被保険者だった場合
第3号被保険者は、国民年金法7条1項3号により「第二号被保険者の配偶者」であることが前提です。日本年金機構は、第2号被保険者が退職したとき、扶養されていた配偶者も同時に第3号被保険者の資格を失うので、第1号被保険者の手続きをする必要があると説明しています。退職した人が自営業者等になった場合、配偶者の健康保険も被扶養者から国民健康保険等への切替えが必要だとしています。
配偶者の届出の期限と届出先について、日本年金機構のページは配偶者向けに明記していません。当サイトは、施行規則6条の2第1項が第3号から第1号への種別の変更を除外していないことから、配偶者の届出も事実があった日から14日以内に市区町村へ行うものと読んでいます。念のため市区町村の窓口で確認してください。
反対に、退職した本人が厚生年金保険に加入している配偶者の被扶養者になる場合は、第3号被保険者の手続きを配偶者の勤務先を通して行います。被扶養者になれるかどうかの収入の考え方は退職後の健康保険の選び方で扱っています。
| 状況 | 退職後の区分 | 手続き先 |
|---|---|---|
| 退職した本人が、厚生年金保険に加入している配偶者の被扶養者になる | 第3号被保険者 | 配偶者の勤務先を通して提出 |
| 退職した本人が、配偶者の被扶養者にならない(配偶者がいない場合を含む) | 第1号被保険者 | 住所地の市区役所・町村役場 |
| 退職した人に扶養されていた配偶者(第3号被保険者だった人) | 第1号被保険者 | 住所地の市区役所・町村役場(施行規則6条の2第1項による当サイトの読み取り) |
失業等による特例免除は、本人の前年所得を除いて審査する
国民年金保険料の免除は、ふだんは本人・配偶者・世帯主の前年所得で審査されます。このため、退職前の年に給与を受けていた人は、その給与を含む前年所得で審査されることになります。
そこで失業等による特例があります。国民年金法90条1項4号が「天災その他の厚生労働省令で定める事由」を免除の事由に挙げ、同法施行規則77条の7第2号がその事由として「失業等により保険料を納付することが困難と認められるとき」を定めています。この事由に当たれば、本人については所得の基準によらずに審査されます。免除の割合は全額・4分の3・半額・4分の1の4種類で、50歳未満で本人と配偶者の前年所得が一定額以下なら納付猶予もあります。
免除を受けた期間と納付猶予の期間では、将来の老齢基礎年金への反映が違います。反映の割合と目安額は退職後の固定費を下げる順番と、公的な減免制度で説明しています。

失業・倒産・事業の廃止などの事実を確認できたときは、失業等した方の前年所得にかかわらず、免除・納付猶予を受けられる特例があります。
- 雇用保険の被保険者だった人: 勤務先から交付される雇用保険被保険者離職票のコピー
- 同じく: ハローワークから交付される雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知のコピーなど
- 同じ失業等を理由に以前も申請し、これらの書類を添付したことがあれば、あらためての添付は不要
申請できる期間と、毎年度の申請
申請先は、住所地の市区役所・町村役場の国民年金の担当窓口か、年金事務所です。申請書は郵送でも提出でき、電子申請も案内されています。申請者本人・配偶者・世帯主のうち、前年(または前々年)の所得の税の申告をしていない人がいる場合は、先に市区町村で市区町村民税の申告をしてから申請します。
特例免除は、失業等のあった月の前月から受けられます。失業した日は離職日の翌日です。申請は保険料の納付期限から2年を経過していない期間まで、申請時点から2年1カ月前までさかのぼれます。ただし日本年金機構は、申請が遅れると障害を負ったり死亡したりした際に障害年金や遺族年金を受けられない恐れがあるとして、すみやかな申請を求めています。
1枚の申請書で申請できるのは7月から翌年6月までの1年度分です。添付に使う離職票が会社から届かない場合の対応は、離職票が届かないときの記事を参照してください。書類がそろわないときの申請の扱いは、年金事務所に確認してください。
| 期間の扱い | 老齢基礎年金の受給資格期間への算入 | 老齢基礎年金の年金額への反映 | 障害基礎年金・遺族基礎年金の受給資格期間への算入 |
|---|---|---|---|
| 全額免除・一部免除 | あり | あり(割合は免除の種類による) | あり |
| 納付猶予 | あり | なし | あり |
| 未納 | なし | なし | なし |
よくある質問
- 退職後の国民年金の切替えは、いつまでにどこで手続きしますか?
- 退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区役所または町村役場で手続きします(国民年金法12条1項、同法施行規則6条の2第1項)。本人のほか世帯主も届け出ることができます。
- 前年の給与が多くても国民年金保険料の免除は申請できますか?
- 申請できます。失業等の事実を確認できれば、失業等した本人の前年所得にかかわらず審査される特例があります。ただし世帯主や配偶者がいる場合は、その人たちの所得審査は残ります。
- 夫(妻)が退職したら、扶養されていた自分の国民年金はどうなりますか?
- 第3号被保険者の資格を同時に失うため、第1号被保険者の手続きが必要です(日本年金機構)。届出先は市区町村と読めますが、日本年金機構のページは配偶者向けに期限を明記していないため、窓口で確認してください。
- 特例免除は一度承認されれば翌年度も続きますか?
- 続きません。日本年金機構は、失業等による特例免除の承認者は翌年度も申請が必要だと明記しています。1枚の申請書で申請できるのは7月から翌年6月までの1年度分です。
- 特例免除の申請に離職票は必ず要りますか?
- 離職票のコピーのほか、ハローワークが交付する雇用保険受給資格者証や雇用保険受給資格通知のコピーも、失業等の事実を確認できる書類として挙げられています。どれも手元に無い場合の扱いは、年金事務所に確認してください。
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出典と更新情報
- e-Gov 法令検索 国民年金法12条(届出)
- e-Gov 法令検索 国民年金法施行規則6条の2(被保険者の種別変更の届出)
- e-Gov 法令検索 国民年金法91条(保険料の納期限)
- e-Gov 法令検索 国民年金法90条(申請による保険料の全額免除)
- e-Gov 法令検索 国民年金法施行規則77条の7(免除の事由として厚生労働省令で定める事由)
- 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
- 日本年金機構「配偶者が転職・退職したときの手続き」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
最終更新: 2026年9月26日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日