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たいしょくん

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失業保険の基本

退職後にしばらく休みたい — 失業保険を受け取れる期限は1年

公的機関の計算例と一致することを確認済み最終更新: 2026年9月17日本文 約2,900

失業保険(基本手当)を受け取れる受給期間は、離職日の翌日から1年です(雇用保険法20条1項)。休んでいる間もこの1年は進み、待期7日と給付制限は求職の申込みをした日を起点に始まるため、休んだ日数によっては所定給付日数を受け取りきれません。

自分の条件では、いつ・いくらになるか。 退職理由・年齢・勤続年数・月収の4つで計算します。

シミュレーターで計算する

基本手当が支給されるのは「休んでいる日」ではなく「失業している日」

雇用保険法4条3項は「失業」を、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことができない状態と定めています。基本手当は同法15条により、この失業している日のうち失業の認定を受けた日について支給されます。認定は離職後最初にハローワークへ出頭した日から起算して4週間に1回、直前の28日の各日について行われ(同条3項)、求人者との面接や職業紹介、職業指導といった求職活動を行ったことを確認して行われます(同条5項)。

つまり退職後に働く意思を持たずに休んでいる期間は、条文が定める「失業」の状態ではなく、その日について基本手当が支払われることはありません。休んだあとに求職の申込みをすれば、その日以降の失業している日が失業の認定の対象になります。認定に必要な求職活動の中身は求職活動実績として認められるものにまとめています。

被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。

雇用保険法4条3項e-Gov 法令検索 雇用保険法4条(定義・離職と失業)

基本手当の対象は「離職したこと」ではなく、働く意思と能力があって職に就けない状態です。

受給期間は離職日の翌日から1年で、休んでいる間も進む

雇用保険法20条1項は、基本手当を受け取れる期間(受給期間)を、原則として離職の日の翌日から起算して1年と定めています。起点は離職日の翌日であって、ハローワークで求職の申込みをした日ではありません。したがって退職後に休んでいる期間も、この1年の中で消費されていきます。

同項は、この期間内の失業している日について所定給付日数に相当する日数分を「限度として」支給すると定めています。所定給付日数は上限にすぎず、受給期間の満了日を過ぎた日は、日数が残っていても支給されません。所定給付日数が330日の区分は1年に30日、360日の区分は1年に60日を加えた期間になります。

なお受給資格の有無は、原則として離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上あるかで決まります(雇用保険法13条1項)。この2年間は離職日からさかのぼって数えるので、離職後に休んだ日数がこの数え方に入ることはありません。数え方の詳細は失業保険をもらえるかは、退職理由より先に被保険者期間で決まるにまとめています。

受給期間の区分(雇用保険法20条1項)
区分受給期間
原則離職日の翌日から1年
所定給付日数が330日の特定受給資格者1年に30日を加えた期間
所定給付日数が360日の就職困難者1年に60日を加えた期間
出典: e-Gov 法令検索 雇用保険法20条(受給期間)

待期と給付制限は、求職の申込みをした日から数える

受給期間が離職日の翌日から進むのに対し、待期は、雇用保険法21条により、離職後最初にハローワークへ求職の申込みをした日以後の失業している日を通算して7日で、離職理由にかかわらず全員に適用されます。退職日からではなく、求職の申込みをした日から数え始めます。

正当な理由のない自己都合退職では、雇用保険法33条1項により、待期の満了後にさらに給付制限の期間が続きます。離職日が2025年4月1日以降であれば原則1か月です。改正の内容と3か月になる例外は給付制限が1か月になった2025年4月の改正にまとめています。

休んでから手続きをすると、待期と給付制限は休み終えたあとに始まり、その分だけ支給の開始が後ろへずれます。一方で受給期間の満了日は離職日で決まったまま動きません。休んだ期間、待期、給付制限の合計が長いほど、満了日までに受け取れる日数が減ります。

上に「離職」から「受給期間の終わり」まで伸びる1本の長い帯「受給期間」。その下に左から順に、灰色の斜線の区間「休む」、目印「求職の申込み」、灰色の斜線の区間「待期」と「給付制限」、青い区間「支給」が並び、青い区間は「受給期間の終わり」の縦線で切れて、その先は点線の輪郭だけになっている。
受給期間は離職の翌日から進み続ける一方、待期と給付制限は求職の申込みをしてから始まるため、休んだ分だけ支給の始まりが後ろへずれ、受給期間の終わりで打ち切られる。

休んでから受け取る場合の日程の並び

  1. 離職する受給期間の起点

    離職日の翌日から受給期間(原則1年)が進み始めます。この日は手続きの時期に関係なく動きません。

  2. 休む受給期間の中

    求職の申込みをしていない間は失業の認定を受けられず、その日について基本手当は支給されません。

  3. ハローワークで求職の申込みをする休み終えたら

    受給資格の決定を受けた日が、待期と給付制限の起点になります。

  4. 待期決定日を含めて7日

    離職理由にかかわらず全員に適用され、この間は基本手当が支給されません。

  5. 給付制限正当な理由のない自己都合退職と重責解雇

    待期の満了後に続きます。離職日が2025年4月1日以降なら原則1か月です。

  6. 失業の認定と支給原則28日ごと

    認定を受けた日について支給されます。受給期間の満了日を過ぎた日は、所定給付日数が残っていても支給されません。

出典: e-Gov 法令検索 雇用保険法21条(待期)

休んだ日数によっては、所定給付日数を受け取りきれない

受け取れる日数の上限は、所定給付日数と「受給期間の満了日までに残っている失業している日」の少ないほうです。前者は離職時の年齢・被保険者であった期間・離職理由で決まり、後者は休んだ期間と待期、給付制限の分だけ短くなります。

所定給付日数が長い人ほど、休める余地は小さくなります。自分の区分の所定給付日数は早見表で、離職日と手続きの時期から実際に受け取れる日数の見込みはシミュレーターで確かめられます。シミュレーターは受給期間内に受け取りきれない場合に、その旨を表示します。

基本手当は失業の認定を受けた日について支給されるので(雇用保険法15条)、実際の振込は下の式で求めた支給が始まりうる日より後になります。

計算方法と根拠

  1. 受給期間の満了日

    離職日の翌日 + 1年 − 1日(所定給付日数330日なら + 30日、360日なら + 60日)

    雇用保険法20条1項。手続きをした日には左右されない。

  2. 支給が始まりうる最も早い日

    求職の申込みをした日 + 待期7日(+ 給付制限の期間)

    給付制限があるのは正当な理由のない自己都合退職と重責解雇(雇用保険法33条1項)。

  3. 受け取れる日数の上限

    所定給付日数 と 「支給が始まりうる日から満了日までの失業している日数」 の少ないほう

    同20条1項は所定給付日数を「限度として」支給すると定める。

受給期間を延ばせる理由は法令で決まっている

雇用保険法20条1項の括弧書きは、妊娠、出産、育児その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上職業に就くことができない人がハローワークに申し出た場合に、その日数を受給期間に加算すると定めています。加算後の期間が4年を超えるときは4年が限度です。申し出が前提で、条件を満たしても自動では延長されません。

厚生労働省令が加える理由は「疾病又は負傷」と「管轄公共職業安定所の長がやむを得ないと認めるもの」で、ハローワークの案内では病気やけが、妊娠・出産、育児(3歳未満の子)、親族の看護や介護、配偶者の海外勤務への同行、公的機関による海外派遣が示されています。休養そのものはこの案内に挙げられていません。やむを得ない理由に当たるかどうかは管轄のハローワークが判断するものであり、本サイトでは判断しません。

延長は受け取れる期間を延ばすもので、所定給付日数は増えません。申請の期限は延長後の受給期間の最後の日までですが、厚生労働省は申請が遅いと所定給付日数の全てを受給できない可能性があるとして早期の申請を求めています。手続きと必要書類は受給期間延長の申請にまとめています。

受給期間の延長を申し出ると、期限は何月何日まで延びるか

理由によって数え方も上限も申出期限も違います。入力した内容はブラウザの中だけで 処理しており、送信していません。

延長したい理由

引き続き30日以上が対象です。

330日・360日の方は受給期間が30日・60日長くなります(雇用保険法20条1項)。分からない場合はそのままで構いません。

申し出ない場合の期限
2027年9月17日
申し出た場合の期限
2028年3月15日
延びる日数
180日(約6か月)

いずれも申し出が前提で、条件を満たしても自動では延長されません。申出の期限は、上に出ている「申し出た場合の期限」(2028年3月15日)そのものです(雇用保険法施行規則31条3項)。ただし厚生労働省は「申請が遅い場合は、受給期間延長を行っても基本手当の所定給付日数の全てを受給できない 可能性があります」として早期の申請を求めています。期限が延びても、実際に受け取れるのは受給期間内の 日数分だけだからです。手続きは受給期間延長等申請書(様式第十六号)を住所地を管轄するハローワークへ提出して行い、理由を証明できる書類(条文が例示するのは 医師の証明書)と受給資格者証(未交付なら離職票)を添えます。

60歳以上の定年退職には「休んでから受け取る」特例がある

雇用保険法20条2項は、60歳以上の定年などで離職し、しばらく求職の申込みをしないことを希望する人について、その期間(1年を限度)を受給期間に加算する特例を置いています。対象となる定年の年齢は雇用保険法施行規則31条の2第1項で60歳と定められています。「しばらく求職の申込みをしない」という希望を条文が理由として挙げているのは、この特例です。詳しくは定年退職後にしばらく休みたい人へにまとめています。

申出の期限は病気などによる延長とはまったく違い、雇用保険法施行規則31条の3第2項により離職の日の翌日から起算して2か月以内です。定年退職の直後に休み始めてこの期限を過ぎると、特例は使えません。

休んでいる間も健康保険・年金・住民税は続く

会社の健康保険と厚生年金の資格は、退職日の翌日に失われます(健康保険法36条、厚生年金保険法14条)。休んでいる間の健康保険は任意継続か国民健康保険か家族の被扶養者のいずれかを選び、年金は国民年金へ切り替えます。選び方と期限は退職後の健康保険の選び方退職前の準備にまとめています。

住民税は前年の所得に対して課されるため、退職して収入がない年にも納付が続きます。徴収の方法が退職日でどう変わるかは退職後の住民税に、離職理由によって使える国民健康保険料の軽減と失業を理由にした国民年金保険料の免除の入口は退職後の固定費にまとめています。

基本手当の最初の振込までには、少なくとも休んだ日数に待期と給付制限を足した期間があります。休む期間を決めるときは、この間の保険料と税金を先に見積もっておくことが前提になります。

よくある質問

退職後に数か月休んでから失業保険をもらえますか?
受給期間は離職日の翌日から1年です(雇用保険法20条1項)。この期間内に求職の申込みをし、失業の認定を受けた日について基本手当が支給されます。休んだ日数と待期、給付制限の合計が長いほど、満了日までに受け取れる日数は減り、所定給付日数を受け取りきれないことがあります。
休んでいた期間の分も、あとから受け取れますか?
受け取れません。基本手当は失業の認定を受けた日について支給され(雇用保険法15条)、認定は離職後最初にハローワークへ出頭した日から起算して行われます。それより前の日は認定の対象になりません。
待期や給付制限は退職日から進みますか?
進みません。待期は求職の申込みをして受給資格の決定を受けた日を含めて7日で、給付制限はその満了後に続きます(雇用保険法33条1項)。退職日から数えるのは受給期間の1年だけです。
休みたいという理由だけで受給期間を延長できますか?
休養そのものは延長の理由に挙げられていません。雇用保険法20条1項の延長は妊娠・出産・育児、病気やけが、親族の看護や介護などで引き続き30日以上働けない場合が対象で、やむを得ない理由に当たるかはハローワークが判断します。60歳以上の定年退職には、しばらく求職の申込みをしないことを希望する場合の特例(同条2項)が別にあります。
退職後に休むと受給資格はなくなりますか?
被保険者期間の数え方には影響しません。受給資格は原則として離職の日以前2年間の被保険者期間で決まり(雇用保険法13条1項)、離職後に経過した日数はこの数え方に入りません。ただし受給期間の1年を過ぎると、資格があっても基本手当は支給されません。

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データ最終確認: 2026年9月17日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日

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