退職前の準備
公務員を辞めたら失業保険は? — 失業者の退職手当の条件と手続き
常勤の国家公務員は、雇用保険法6条6号と同法施行規則4条1項1号により手続を要することなく雇用保険の適用除外となり、在職中は雇用保険の被保険者になりません。代わりにあるのが国家公務員退職手当法10条の「失業者の退職手当」です。対象は、勤続期間12か月以上(特定退職者は6か月以上)で退職し、退職時に支給された一般の退職手当等の額が、雇用保険を当てはめた場合の基本手当の総額に満たない人です(65歳以上で退職した人などは別の項の扱い)。支給期間の中で失業しているとき、その差額にあたる分が、失業の認定を受けた日について支給されます。都道府県・市町村の職員は、自治体が申請して承認を受けている場合に適用除外となり、退職手当は自治体の条例に基づいて定められます。
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常勤の国家公務員は、雇用保険の適用除外
雇用保険法6条は「次に掲げる者については、この法律は、適用しない」として適用除外を並べ、その6号に、国・都道府県・市町村などの事業に雇用される人のうち、離職したときにほかの法令や条例などに基づいて受ける給与の内容が、雇用保険の求職者給付と就職促進給付の内容を超えると認められ、厚生労働省令で定める人を挙げています。
厚生労働省の業務取扱要領は、国などの事業に雇用される人(非常勤の人の一部を除く)は、手続を要することなく適用除外になるとしています(23101)。常勤の国家公務員はこれに当たります。適用除外とは、法が適用されず、被保険者とされないことです(23003)。このため、常勤の国家公務員は在職中、雇用保険の被保険者になりません。
要領は、この適用除外を設けた趣旨として、法令・条例・規則などによって退職手当の制度が確立されていて、退職後に雇用保険の求職者給付と就職促進給付の内容を超える給与が支給されることと、「この給与の支給が法令に基づき確実に履行されること」などを挙げています(23004)。
国の非常勤職員は扱いが違います。常時勤務に服することを要する国家公務員以外の人で、国家公務員退職手当法(以下、退職手当法)2条2項により職員とみなされない人は、施行規則4条1項1号から除かれています。要領は、国の非常勤職員を、退職手当法で職員とみなされて同法の適用を受けるに至るまでの間は雇用保険の被保険者とし、適用を受けるに至ったときから被保険者としないとしています(23202。各種委員会の非常勤職員で雇用保険法上の労働者と認め難いものは被保険者としない、というただし書があります)。被保険者になるかどうかは、週の所定労働時間などのほかの要件にもよります。要件の書かれ方は雇用保険の加入条件にまとめています。
都道府県・市町村の職員は、国と違って手続なしには適用除外になりません。都道府県などの長が厚生労働大臣に、市町村などの長が都道府県労働局長に申請して承認を受けた場合に、適用除外になります(施行規則4条1項2号・3号)。
国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの
6条の柱書と合わせると、国や自治体で働く人のうち、辞めたときに受ける給与が雇用保険の求職者給付と就職促進給付の内容を超えると認められ、省令で定める人には雇用保険法を適用しない、という意味です。
| 勤め先 | 適用除外になる人 | 手続 |
|---|---|---|
| 国など(1号) | 国または行政執行法人の事業に雇用される人。ただし、常時勤務に服することを要する国家公務員以外の人で、退職手当法2条2項により職員とみなされない人を除く | 手続を要することなく適用除外(要領 23101 イ) |
| 都道府県など(2号) | 都道府県などの長が、雇用保険法を適用しないことについて厚生労働大臣に申請し、承認を受けた人 | 申請と承認が必要(要領 23101 ロ) |
| 市町村など(3号) | 市町村などの長が、都道府県労働局長に申請し、厚生労働大臣の定める基準によって承認を受けた人 | 申請と承認が必要(要領 23101 ハ) |
代わりにある「失業者の退職手当」と3つの要件
厚生労働省の支給要領は、国家公務員が一部の者を除き雇用保険法の適用除外とされていることを踏まえて、退職時に支給された一般の退職手当等の額が雇用保険法の失業等給付に相当する額に満たず、退職後一定の期間失業しているときに、その差額分を「失業者の退職手当」として、失業の認定を受けた日について支給すると説明しています(11001)。根拠は退職手当法10条です。
「一般の退職手当等」は、退職手当法2条の4・6条の5による退職手当(一般の退職手当)と、9条による退職手当を合わせた言葉です。支給要領が挙げる受給要件は、次の3つです(11111)。
特定退職者は、雇用保険の特定受給資格者(いわゆる会社都合)に相当するものとして内閣官房令で定める人です。失業者の退職手当支給規則6条の2は、たとえば「公務上の傷病により退職した者」や、退職手当法8条の2の「定年前に退職する意思を有する職員の募集」に応募して認定を受け、退職すべき期日に退職した人などを挙げています(附則にも暫定的な定めがあります)。自分が特定退職者に当たるかを、当サイトは判断しません。
65歳以上で退職した人などは、10条1項ではなく別の項の扱いです。この記事の説明は、10条1項・2項の退職手当についてのものです。
勤続期間十二月以上(特定退職者(雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第二十三条第二項に規定する特定受給資格者に相当するものとして内閣官房令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)にあつては、六月以上)で退職した職員(第四項又は第六項の規定に該当する者を除く。)
勤続期間が12か月以上(特定退職者は6か月以上)で退職した職員が対象で、4項・6項に当たる人(65歳以上で退職した人など)は除かれる、という部分です。
- 勤続期間が12か月以上であること(特定退職者は6か月以上)
- 退職時に支給された一般の退職手当等の額が、雇用保険法の規定による基本手当の支給総額に満たないこと
- 支給期間(雇用保険でいう受給期間。退職の日の翌日から原則1年)の中で失業していること
額は「差額」 — 待期日数を超えて失業した日に支給される
10条1項の仕組みでは、退職時に支給を受けた一般の退職手当等の額を、雇用保険法を当てはめた場合の基本手当の日額で割ります(端数は切り捨て)。この日数が「待期日数」です。支給期間の中で、待期日数を超えて失業している日について、基本手当の日額に相当する額が支給されます。支給されるのは、所定給付日数から待期日数を引いた日数分までです。
基本手当の日額と所定給付日数は、国家公務員としての勤続期間をもとにした期間を雇用保険の算定基礎期間とみなすなどして、雇用保険法を当てはめて出します(10条1項)。賃金日額・基本手当日額・待期日数・所定給付日数などは、退職した官署が退職票に記載し、ハローワークはその記載が正しいかを確認します(支給要領 11101)。
一般の退職手当等の支給を受けない人は10条2項の扱いで、勤続期間の要件は1項と同じです。支給期間の中で失業している日について、基本手当の日額に相当する額が、所定給付日数に相当する日数分まで支給されます。支給要領は、一般の退職手当等が全く支給されない場合、失業者の退職手当の額は雇用保険法に規定する失業等給付に相当する額になるとしています(11111)。
たとえば、勤続期間の要件を満たして退職し、退職時に受け取った一般の退職手当等の額が、雇用保険を当てはめた場合の基本手当の日額に所定給付日数を掛けた額に届かない人がいるとします。この人が退職後に求職の申込みをして、支給期間の中で失業している場合、待期日数を超えて失業した日について(給付制限がかかる場合は、その期間のあとに待期日数が続きます)、失業の認定を受けた日の分として基本手当の日額に相当する額が支給され、支給は所定給付日数から待期日数を引いた日数分までです。差額が退職のときにまとめて支払われるわけではありません。支給を受けられるかどうかは、退職票の記載をもとにハローワークが確認します。
当サイトの計算ツールが示すのは雇用保険の基本手当の目安で、失業者の退職手当の額ではありません。
手続きは、退職票を持ってハローワークで求職の申込み
失業者の退職手当を受けるには、退職時の所属庁等の長から国家公務員退職票(退職票)の交付を受け、ハローワーク(公共職業安定所)で求職の申込みをして、失業の認定を受けることが必要です(内閣人事局の案内)。退職票は、雇用保険の離職票と同様の性質を持つ書類で(支給要領 11121)、受給資格がある場合は、請求がなくても所属庁等の長が交付しなければならないとされています(支給規則3条、支給要領 11122)。退職票はハローワークで受け取るものではありません。
退職の理由によっては給付制限がかかります。支給要領は、自己の責めに帰すべき重大な理由により退職したときと、正当な理由がないと認められるにもかかわらず自己の理由によって退職したときは、雇用保険法33条に規定する期間は支給しないとしています(11211)。正当な理由がない自己の都合にあたるかの認定基準は雇用保険の業務取扱要領 52203 に準ずるとされ、判断するのはハローワークです。期間の長さは、33条が定める範囲でハローワークの所長が定めます。
公開されている支給要領は、雇用保険の給付制限の見直し(離職日が2025年4月1日以降の人が対象)より前の版です。見直しのあとの退職に失業者の退職手当の給付制限が何か月かかるかを書いた資料を当サイトは確認できていないため、月数は書いていません。ハローワークで確かめてください。
支給要領は、懲戒免職等で退職した人は、一般の退職手当等に支給制限がかかっても、失業者の退職手当は支給されるとしています(11111)。ただし、自己の責めに帰すべき重大な理由により退職したときは、上のとおり雇用保険法33条に規定する期間は支給されません(11211)。また、退職事由による給付制限の間に公共職業訓練が始まった場合は、雇用保険法33条と同様に給付制限が解除されるとしています(11243)。
失業者の退職手当を受けるまで(一般の退職手当等を受けた人の場合)
退職票を受け取る退職した官署(所属庁等)から
受給資格がある人には、所属庁等の長が国家公務員退職票を交付します(支給規則3条)。
ハローワークで求職の申込みをする退職後速やかに・住所か居所を管轄するハローワーク
ハローワークに出向いて退職票を出し、求職の申込みをします(支給規則5条)。
給付制限(かかる場合)と待期日数が過ぎるのを待つ求職の申込みをした日から
給付制限がかかる場合は、その期間が先に進み、そのあとに待期日数が続きます。求職の申込みのあとに職業に就いた日は、待期日数に数えません(支給規則9条1項、支給要領 11172・11212)。
待期日数の間の失業の認定を受ける待期日数が過ぎたら速やかに
ハローワークで職業の紹介を求め、失業認定申告書に受給資格証を添えて出し、待期日数の間の失業の認定を受けます(支給規則11条1項)。
指定された日ごとに失業の認定を受けるハローワークの所長が指定する日
以後は、失業の認定を受けるべき日として指定された日ごとにハローワークへ出向き、失業の認定を受けます。求職活動の実績の扱いは雇用保険と同じです(支給規則11条2項、支給要領 11202)。
認定を受けた日の分を受け取る毎月の支給日(支給規則10条)か、所長が指定する日
それぞれの前日までに失業の認定を受けた日の分が支給されます(支給規則10条)。
支給期間は原則1年 — 延長と、事業を始めたときの特例
失業者の退職手当を受けられるのは、支給期間の中で失業している日です。法令上の言葉は「支給期間」で、雇用保険でいう受給期間にあたり、雇用保険法と同様、退職の日の翌日から起算して原則1年間です(支給要領 11142)。
この期間の中で、妊娠、出産、育児や病気・けがなどの理由で引き続き30日以上職業に就けない人は、ハローワークの所長に申し出ると、職業に就けない日数を支給期間に加えられます。加えた期間が4年を超えるときは4年です(10条1項、内閣人事局の案内)。申出は、受給期間延長等申請書に、医師の証明書など理由を証明できる書類と受給資格証(交付を受けていない場合は退職票)を添えて、ハローワークの所長に出します。申出は、理由に該当するに至った日の翌日から、退職の日の翌日から起算して4年を経過する日までの間にします(加えられた期間が4年に満たない場合はその期間の最後の日まで。支給規則8条。例外の定めがあります)。
退職の日の翌日以後に事業を始めた人(退職の日以前に始めた事業に、退職の日の翌日以後に専念する人を含む)は、ハローワークの所長に申し出ると、事業を行っている期間などを支給期間に算入しない特例を受けられることがあります(10条3項、支給規則8条の2〜8条の5)。対象になる事業の要件は10条3項と支給規則8条の2が定め、内閣人事局の案内に一覧があります。支給期間に算入しない日数の上限は、4年から支給期間の日数を除いた日数で、支給期間が1年の場合は最大3年間です(支給規則8条の5、内閣人事局の案内)。
雇用保険の基本手当との違い
失業者の退職手当は、雇用保険法の基本手当の支給の条件に従い、ハローワークを通じて支給されます(10条1項。政令で定める一部の職員を除きます)。手続きは似ていますが、要件の数え方や順序には違いがあります。
とくに勤続期間は、職員としての引き続いた在職期間で、身分の保有に空白がないことが求められます(数え方には退職手当法7条にほかの定めもあります)。支給要領は、異なる事業主での被保険者期間が通算で12か月以上あれば受給要件を満たすという雇用保険の考え方とは異なると注意しています(11113)。
離職のときに両方の受給資格がある場合は、先に雇用保険が支給され、その支給が終わったあとに失業者の退職手当の支給期間が残っていれば、失業者の退職手当が支給されます。この場合の失業者の退職手当の求職の申込みは、雇用保険の支給終了日の翌日以降です(10条15項、支給要領 11112)。
| 項目 | 雇用保険の基本手当 | 失業者の退職手当 |
|---|---|---|
| 根拠 | 雇用保険法 | 国家公務員退職手当法10条(退職手当として支給) |
| 必要な期間 | 離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上(特定受給資格者・特定理由離職者は1年間に6か月以上でもよい) | 勤続期間が継続して12か月以上(特定退職者は6か月以上) |
| 期間の数え方 | 異なる事業主での被保険者期間も通算できる。受給要件の緩和が認められると、被保険者期間を数える期間(算定対象期間)が延びる | 職員としての引き続いた在職期間。算定対象期間のような規定はなく、受給要件の緩和という考え方もない |
| 特定理由離職者の扱い | ある(受給資格の要件の特例など) | 適用されない |
| 待期 | 7日 | 待期日数(一般の退職手当等の額÷基本手当の日額) |
| 給付制限と待期の順 | 待期の満了後に給付制限 | 求職の申込みの日から給付制限、そのあとに待期日数 |
| 受け取る書類 | 離職票(本人が請求すれば、受給資格の有無に関わらず交付) | 国家公務員退職票(受給資格があれば、請求がなくても所属庁等の長が交付) |
| 両方の受給資格があるとき | 先に支給 | 雇用保険の支給が終わったあと、支給期間が残っていれば支給 |
地方公務員・会計年度任用職員は、勤め先の制度を確かめる
失業者の退職手当は、国家公務員退職手当法の制度です。地方公務員の退職手当は、国の退職手当法ではなく、自治体の条例に基づいて定められます。地方自治法204条は、自治体が条例で常勤の職員などに退職手当を支給できること、手当の額と支給方法は条例で定めなければならないことを定めています。
2007年の総務省の資料は、総務省が国家公務員退職手当法に準じた条例案を作成して各自治体に示していると書く一方、企業職員と単純労務職員については、退職手当を含めて給与の種類と基準だけを条例で定め、具体的な事項は企業管理規程や規則などで定めると書いています。いずれも2007年の時点の記述です。
市町村などが雇用保険の適用除外の承認を受けるには、厚生労働大臣の定める基準を満たす必要があります。基準は、離職して失業している職員に、市町村などが条例などに基づいて、基本手当に相当する手当などを離職理由にかかわらず支給することとしています。退職手当法の数え方で勤続期間が一定の長さに満たない職員には、これらの手当を支給しないこととすることもできる、というただし書もあります(要領 23051)。
会計年度任用職員について、総務省のマニュアルは、週の所定労働時間や雇用見込みなどの要件を満たせば雇用保険の加入手続きを行わなければならないとしたうえで、退職手当の要件を満たして職員の退職手当に関する条例(案)の適用を受けるに至った場合は、そのときから被保険者とならないとしています。業務取扱要領は、この扱いを適用除外の承認を受けた官公署の非常勤職員についてのものとして書いています(23201・23203)。加入の要件は雇用保険の加入条件に、週の所定労働時間の要件を引き下げる法改正は改正の内容にまとめています。マニュアルの書き方は、いまの要件によるものです。
パートタイムの会計年度任用職員について地方自治法203条の2が定める給付は、報酬・費用弁償・期末手当・勤勉手当で、退職手当は入っていません。フルタイムの会計年度任用職員は、204条で条例により退職手当を支給できる職員に入ります。どちらに当たるか、雇用保険の被保険者かどうか、退職のときに何が支給されるかは、任用元の自治体の人事担当と条例で確かめてください。
退職金の税金と、民間に移ってからの雇用保険
一般の退職手当は、職員が退職した日から起算して1か月以内に支払わなければならないとされています(退職手当法2条の3第2項。ただし書の例外があります)。退職金にかかる税金の一般的な仕組みは退職金の税金にまとめています。失業者の退職手当が税金や社会保険料でどう扱われるかは、この記事では扱いません。
民間の会社に移ると、雇用保険の加入要件を満たす働き方なら雇用保険の被保険者になります。当サイトの整理では、公務員として適用除外だった期間は、雇用保険の被保険者期間には入りません。適用除外は被保険者とされないことで(要領 23003)、被保険者期間は被保険者であった期間から数えるため(雇用保険法14条1項)です。2つの定めを合わせた当サイトの読み方で、1つの条文がそう書いているわけではありません。
民間に移ってから受給資格を満たすかの数え方は受給資格と被保険者期間の数え方にまとめています。受給資格があるかどうかはハローワークが判断します。
失業者の退職手当を受けられる人が安定した職業に就いた場合の就業促進手当に相当する退職手当や、求職の申込みのあとに病気やけがで職業に就けない場合の傷病手当に相当する退職手当の定めもあります(10条10項)。要件と額は政令で定めるところによるもので、この記事では扱いません。自分の場合の扱いは、退職する官署の人事担当か、住所地のハローワークで確かめてください。
よくある質問
- 公務員を辞めたら失業保険(雇用保険の基本手当)はもらえますか?
- 常勤の国家公務員は雇用保険の適用除外で、在職中は雇用保険の被保険者になりません(雇用保険法6条6号、同法施行規則4条1項1号)。代わりに国家公務員退職手当法10条の「失業者の退職手当」があり、勤続期間12か月以上(特定退職者は6か月以上)などの要件を満たし、退職時の一般の退職手当等の額が基本手当の総額に満たない場合に、その差額分が失業の認定を受けた日について支給されます(65歳以上で退職した人などは別の項の扱いです)。都道府県・市町村の職員は、自治体が承認を受けている場合に適用除外で、退職手当は条例に基づいて定められます。
- 失業者の退職手当の「待期日数」は7日ですか?
- いいえ。失業者の退職手当の待期日数は、退職時に支給された一般の退職手当等の額を基本手当の日額で割った日数(端数は切り捨て)で、雇用保険の7日の待期とは別の概念です。給付制限がかからなければ求職の申込みをした日から数え、給付制限がかかる場合は、給付制限の期間が先に進み、そのあとに待期日数が続きます。どちらの場合も、職業に就いた日は待期日数に含めません。
- 自己都合で辞めても失業者の退職手当は受け取れますか?
- 要件を満たせば対象です。支給要領は、懲戒免職等で退職した人にも失業者の退職手当は支給されるとしています。ただし、正当な理由がないと認められるにもかかわらず自己の理由によって退職したときや、自己の責めに帰すべき重大な理由により退職したときは、雇用保険法33条に規定する期間は支給されません(給付制限)。正当な理由があるかどうかはハローワークが判断します。
- 失業者の退職手当はいつまで受け取れますか?
- 支給期間の中で失業している日の分です。支給期間は退職の日の翌日から起算して原則1年間で、妊娠・出産・育児や病気・けがなどで引き続き30日以上職業に就けない場合は、ハローワークの所長に申し出ると延長でき、延長後の上限は4年です。支給される日数は、所定給付日数から待期日数を引いた日数分までです(一般の退職手当等の支給を受けない場合は、所定給付日数に相当する日数分まで)。65歳以上で退職した人などは、別の項の扱いです。
- 地方公務員や会計年度任用職員も同じですか?
- 同じとは限りません。失業者の退職手当は国家公務員退職手当法の制度です。都道府県・市町村の職員は、自治体の長が申請して承認を受けている場合に雇用保険の適用除外になり、退職手当は自治体の条例に基づいて定められます。会計年度任用職員は、要件を満たせば雇用保険に加入し、適用除外の承認を受けた自治体で退職手当の条例の適用を受けるに至ったときから被保険者でなくなる扱いです。自分の扱いは任用元の自治体に確かめてください。
- 退職票はどこでもらえますか?
- 退職時の所属庁等の長から交付されます。受給資格がある場合は、請求がなくても交付しなければならないとされています(失業者の退職手当支給規則3条)。退職票は雇用保険の離職票と同様の性質を持つ書類で、退職後速やかに、住所か居所を管轄するハローワークに出して求職の申込みをします。
- 公務員だった期間は、民間に移ってから雇用保険(失業保険)の被保険者期間に入りますか?
- 当サイトの整理では、公務員として雇用保険の適用除外だった期間は入りません。適用除外は被保険者とされないことで(要領 23003)、被保険者期間は被保険者であった期間から数えるため(雇用保険法14条1項)です。2つの定めを合わせた当サイトの読み方で、1つの条文がそう書いているわけではありません。民間に移ってから受給資格を満たすかどうかは、ハローワークが判断します。
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出典と更新情報
- e-Gov 法令検索 雇用保険法6条(適用除外)
- e-Gov 法令検索 雇用保険法施行規則4条(法第六条第六号の厚生労働省令で定める者)
- 厚生労働省「雇用保険業務取扱要領(適用関係)」(第20 国家公務員等の適用除外 23003〜23203)
- e-Gov 法令検索 国家公務員退職手当法10条(失業者の退職手当)
- 厚生労働省「国家公務員退職手当(失業者の退職手当)支給要領」(令和4年7月)
- e-Gov 法令検索 失業者の退職手当支給規則6条の2(法第十条第一項に規定する内閣官房令で定める者)
- 内閣人事局「勤続期間が12月以上で国家公務員を退職し失業している方へ」
- e-Gov 法令検索 失業者の退職手当支給規則3条(退職票の交付)
- e-Gov 法令検索 失業者の退職手当支給規則5条(退職票の提出)
- e-Gov 法令検索 失業者の退職手当支給規則9条(基本手当に相当する退職手当の支給調整)
- e-Gov 法令検索 失業者の退職手当支給規則10条(基本手当に相当する退職手当の支給日)
- e-Gov 法令検索 失業者の退職手当支給規則11条(基本手当に相当する退職手当の支給手続)
- e-Gov 法令検索 雇用保険法33条(給付制限)
- e-Gov 法令検索 失業者の退職手当支給規則8条(受給期間延長の申出)
- e-Gov 法令検索 失業者の退職手当支給規則8条の4(支給の期間の特例の申出)
- e-Gov 法令検索 雇用保険法13条(基本手当の受給資格)
- e-Gov 法令検索 雇用保険法21条(待期)
- e-Gov 法令検索 地方自治法204条
- e-Gov 法令検索 地方自治法203条の2
- 総務省「地方公務員の退職手当制度について」(国家公務員退職手当の支給の在り方等に関する検討会 第2回〔平成19年12月21日〕資料3-1)
- 総務省「会計年度任用職員制度の運用に係る事務処理マニュアル」(令和8年10月)
- e-Gov 法令検索 国家公務員退職手当法2条の3
- e-Gov 法令検索 雇用保険法14条(被保険者期間)
最終更新: 2026年10月4日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日