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退職した年の確定申告 — 失業保険は非課税、源泉徴収された所得税は戻ることがある

公的機関の計算例と一致することを確認済み最終更新: 2026年9月7日本文 約2,000

失業保険には所得税も住民税もかかりません。雇用保険法12条が、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課すことはできないと定めているためです。一方、年の途中で退職して年末調整を受けていない場合は、毎月の給与から源泉徴収された所得税が納めすぎになっていることがあります。国税庁は「中途退職した年の翌年になってから確定申告をすれば還付を受けられます」としており、還付申告はその年の翌年1月1日から5年間提出できます。

自分の条件では、いつ・いくらになるか。 退職理由・年齢・勤続年数・月収の4つで計算します。

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失業保険には税金がかからない

基本手当に所得税も住民税もかからないのは、雇用保険法12条が公課の禁止を定めているためです。対象は基本手当だけでなく失業等給付の全体で、再就職手当などの就職促進給付、教育訓練給付、高年齢求職者給付金も含みます。

課税されないので、確定申告書に記入する欄そのものがありません。ハローワークから源泉徴収票が出ることもありません。

ただし、健康保険の被扶養者の認定では失業等給付を収入として数えます。非課税であることと、社会保険で収入に数えないことは別です。境目は失業保険を受け取ると家族の扶養から外れるかにまとめてあります。

租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない。

雇用保険法12条e-Gov 法令検索 雇用保険法12条(公課の禁止)

失業等給付を基準にして税や公課を課すことはできない、という定めです。

年末調整を受けていない年は、納めすぎたままになる

毎月の給与から引かれる所得税は、その給与が1年間続く前提の税額表で計算されています。年の途中で給与が止まると年間の所得が下がるのに、すでに源泉徴収された額は下がりません。ここに差が生まれます。

国税庁は「中途退職したまま再就職しない場合は年末調整を受けられませんから、所得税及び復興特別所得税が納め過ぎとなっている場合があります」と説明しています。年末調整は12月時点で在職している人に対して勤務先が行う精算なので、年内に再就職しなければ誰も精算しません。

精算する手段が確定申告です。国税庁は「確定申告書を提出する義務のない人でも、給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます」としています。

退職後に自分で払った社会保険料は控除できる

退職して会社の健康保険と厚生年金から抜けると、国民健康保険料と国民年金保険料を自分で払うことになります。これらはその年の社会保険料控除の対象で、国税庁は控除額を「その年に実際に支払った金額または給与や公的年金から差し引かれた金額の全額」としています。

勤務先が把握しているのは在職中に給与から引かれた分だけなので、退職後に自分で払った分は申告しない限り控除に入りません。源泉徴収票だけを持って行っても、この分は自動では反映されません。

生計を一にする家族の分を代わりに払った場合も対象です。国税庁は「納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます」としています。

退職後に自分で払うことになる社会保険料と、控除の可否
支払うもの社会保険料控除の対象額を確かめる書類
国民健康保険の保険料または国民健康保険税対象納付済額のお知らせ・領収証書
国民年金保険料対象社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
任意継続の健康保険料対象領収証書
介護保険法の規定による介護保険料対象納付の記録
出典: 国税庁 No.1130「社会保険料控除」

用意するもの

還付申告に必要なものは、退職した年に受け取った給与の記録と、年末調整で出しそびれた控除の証明書です。給与所得だけであれば、国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成から提出まで完結します。

控除証明書は年内に届くものが多く、退職して住所が変わっていると届かないことがあります。年をまたぐ前に住所の変更を伝えておくと、翌年に探し直す手間が減ります。

退職した年の還付申告で用意するもの

  1. 給与所得の源泉徴収票を受け取る退職後

    退職した会社が交付します。年内に別の会社に勤めていた場合はその分もそろえます。

  2. 社会保険料の証明書と領収証書を集める年内に支払った分

    退職後に自分で払った国民健康保険料・国民年金保険料・任意継続の保険料の額が分かるものです。

  3. その他の控除証明書を集める保険会社などから届く

    生命保険料控除証明書や地震保険料控除証明書など、年末調整で提出していないものです。

  4. 本人確認書類と振込口座を用意する提出時

    マイナンバーが分かるものと、還付金を受け取る口座の情報が必要になります。

出典: 国税庁 No.1910「中途退職で年末調整を受けていないとき」

退職金は別の計算になる

退職金は退職所得として分離課税され、給与所得とは別に計算します。退職所得控除の枠内に収まれば税額は0円になり、「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば支払いの時点で精算が終わっています。仕組みは退職金の税金にまとめてあります。

申告書を出していなかった場合は一律の税率で源泉徴収されているため、確定申告で精算することになります。この場合の還付は給与の分とは別の計算です。

翌年度の住民税にも効いてくる

所得税の確定申告をすると、その内容は市区町村へ送られ、住民税の計算にも使われます。社会保険料控除を申告に載せれば、所得税だけでなく翌年度の住民税にも反映されます。

失業保険は非課税なので前年の所得に入りません。収入が失業保険だけだった年は所得割の対象になる所得が無いことになり、その翌年度の住民税は下がります。前年課税という仕組みそのものは退職後の住民税で扱っています。

個別の判断はしない

本サイトが説明できるのは制度の仕組みまでです。申告が必要かどうか、いくら還付されるかは、その年の所得と控除の内容によって変わります。

個別の判断は所轄の税務署または税理士にご確認ください。国税庁の確定申告書等作成コーナーには、画面の案内に沿って入力すると税額が計算される仕組みがあります。

よくある質問

失業保険は確定申告に書く必要がありますか?
書きません。雇用保険法12条により失業等給付には租税を課せないため、所得として申告する欄がありません。基本手当のほか、再就職手当や教育訓練給付、高年齢求職者給付金も同じ扱いです。
確定申告をしないとどうなりますか?
納めすぎた所得税が戻らないまま残ります。還付申告は義務ではないので罰則はありませんが、その年の翌年1月1日から5年を過ぎると提出できなくなります。給与以外に申告が必要な所得がある場合は別の話になります。
退職後に払った国民健康保険料は控除できますか?
社会保険料控除の対象です。国税庁は「国民健康保険の保険料または国民健康保険税」を対象に挙げており、控除額はその年に実際に支払った金額の全額です。生計を一にする家族の分を支払った場合も対象になります。
年内に再就職した場合はどうなりますか?
再就職先の年末調整で精算されます。前の勤務先の源泉徴収票を新しい勤務先へ提出することになります。ほかに申告が必要な所得や控除がなければ、そこで完結します。個別の判断は所轄の税務署にご確認ください。
還付申告はいつからできますか?
その年の翌年1月1日からです。確定申告の受付開始を待つ必要はありません。国税庁は還付申告書について「確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます」としています。

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出典と更新情報

データ最終確認: 2026年9月7日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日

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