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教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定した講座を受講した費用の一部が支給される制度です。給付率は一般教育訓練が20%(上限10万円)、特定一般教育訓練が40%、資格を取得して就職すれば50%(上限25万円)、専門実践教育訓練は受講中50%から始まり、資格取得と就職で70%、さらに賃金が5%以上上がると80%(最長3年・上限192万円)になります。受講開始日が2025年4月1日以降であれば、自己都合退職の給付制限も解除されます。
教育訓練給付金には一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練の3種類があります。どれに当たるかは講座ごとに指定されており、自分で選べるものではありません。同じ分野でも講座によって区分が異なります。
給付率の差は小さくありません。一般教育訓練は上限10万円ですが、専門実践教育訓練は最長3年で上限192万円です。受講を検討している講座がどの区分なのかは、申し込む前に必ず確認してください。
受給には支給要件期間が必要です。原則は3年以上ですが、過去に教育訓練給付を受けたことがなく初めて利用する場合は、専門実践教育訓練で2年以上、一般教育訓練と特定一般教育訓練で1年以上に緩和されます。
また、受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合は支給されません。連続して使える制度ではありません。
すでに離職している場合は、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内である必要があります。妊娠、出産、育児、疾病、負傷などの理由で適用対象期間の延長を行った場合は、最大20年以内まで延ばせます。
特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認の手続きを行う必要があります。あわせて訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受けることも要件です。
講座に申し込んでから手続きに気づいても間に合いません。受講を決めた時点でハローワークに相談するのが確実です。
申請の期限も種類ごとに違います。一般教育訓練は訓練修了日の翌日から1か月以内、特定一般教育訓練の追加給付は資格取得または就職した日のいずれか遅い日から1か月以内です。専門実践教育訓練の賃金上昇分(80%への上乗せ)だけは1年以内と長く設定されています。
自己都合退職には給付制限がありますが、対象の教育訓練を受けると解除されます。厚生労働省のリーフレットは、対象を「教育訓練給付金の対象となる教育訓練」「公共職業訓練等」「短期訓練受講費の対象となる教育訓練」「これらに準ずるものとして職業安定局長が定める訓練」の4つとしています。
条件は、受講開始日が2025年4月1日以降であることと、離職日前1年以内に受けた(途中退校していない)か、離職日以後に受けていることです。重責解雇の場合は対象外です。
ここで混同しやすいのが基準日です。給付制限が2か月から1か月へ短縮された改正は「退職日」で判定しますが、この解除は「受講開始日」で判定します。同じ2025年4月1日でも見る日付が違います。
申し出の期限にも注意が必要です。原則は受給資格決定日または受給資格決定後の初回認定日まで、初回認定日以降に受講を開始した場合はその受講開始日の直後の認定日までです。期限を過ぎると、あとから申し出ても過ぎた期間の基本手当は受給できません。
専門実践教育訓練(通信制・夜間制を除く)を受講し、受講開始時に45歳未満であるなどの要件を満たす人が訓練期間中に失業状態にある場合、教育訓練支援給付金を受けられます。基本手当日額の60%が支給される制度で、認定は2か月に1回です。
この給付率は2025年4月1日に80%から60%へ引き下げられました。2025年4月1日より前に受講を開始している場合は80%のままです。また、令和8年度末までの暫定措置とされています。
ハローワークの指示による公共職業訓練を受ける場合は扱いが異なり、訓練期間中に所定給付日数が終了しても訓練が終了する日まで基本手当が支給されます。あわせて受講手当が日額500円(上限20,000円)、通所手当が月額最高42,500円、寄宿手当が月額10,700円支給されます。
2025年10月1日に教育訓練休暇給付金が創設されました。就業規則等に基づき連続30日以上の無給の教育訓練休暇を取得した場合に、基本手当に相当する額が支給されます。給付日数は雇用保険の加入期間に応じて90日、120日、150日です。
要件は、休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があること、休暇開始前に5年以上雇用保険に加入していた期間があること、そして業務命令ではなく本人が希望して取得する無給の休暇であることです。
ただしこの制度には重い注意点があります。厚生労働省のパンフレットは「教育訓練休暇給付金を受給した場合、被保険者期間はリセットされます」と明記しています。休暇開始日より前の被保険者期間や加入期間が通算できなくなり、一定期間は失業給付などを原則受給できません。退職を視野に入れている人にとっては、失業保険の受給資格そのものに影響する選択になります。
給付の対象になるかどうかは、厚生労働大臣の指定を受けた講座であるかで決まります。スクールの広告に「給付金対象」と書かれていても、自分が申し込もうとしている講座そのものが指定されているとは限りません。厚生労働省が運営する検索システムで、講座名を直接確認してください。
指定は取り消されることもあります。2025年11月11日には、ある専門学校の講座について指定の取消しが公表されています。また同システムには「教育訓練給付金に関する不適正な勧誘にご注意ください」という注意喚起が掲示されています。
講座数の内訳を見ると、専門実践教育訓練は2026年10月1日時点で3,485講座が指定されています。このうち業務独占資格・名称独占資格の養成課程が1,953講座と最も多く、介護福祉士、看護師、美容師、社会福祉士、保育士、歯科衛生士などが含まれます。実施方法では通学制が2,551講座、通信制が934講座です。
出典: 厚生労働省「専門実践教育訓練の指定講座」(令和8年8月6日発表) / 最終確認: 2026年8月18日
厚生労働省の雇用保険事業年報(令和7年度・速報版)によると、令和7年度の教育訓練給付の総額は282億円です。内訳は一般教育訓練が受給者70,510人・29億円、専門実践教育訓練が100,384人・145億円、教育訓練支援給付金が3,670人・103億円、特定一般教育訓練が7,941人・4.7億円となっています。
注目すべきは特定一般教育訓練の伸びです。受給者数は前年度の4,947人から7,941人へ60.5%増、給付額は283百万円から470百万円へ66.0%増と、他の類型が横ばいか減少しているなかで突出しています。2024年10月に資格取得と就職を要件とする追加給付が新設された効果が数字に表れている唯一の類型です。
一方で一般教育訓練は受給者数が4.4%減と縮小が続いています。給付率20%・上限10万円という水準が、より手厚い区分に利用者が移っていることを示していると読めます。
出典: 厚生労働省「雇用保険事業年報」(令和7年度 速報版) / 最終確認: 2026年8月18日
データ最終確認: 2026年8月18日 / 次回の制度改定予定: 2027年8月1日